水平画角について
ネットワークカメラのスペックにおいて非常に重要な性能の1つが水平画角である。ほとんどのモデルのカタログには、ほぼ必ずこの水平画角の記載がある。これは、いわゆる<見える角度>を示すものである。
現在においては、広角型のカメラでは約90度を超えるモデルが多く存在している。室内を撮影する場合、部屋はほぼ直角(四角形)で設計されているため、部屋の角に設置すると、おおよそ部屋全体が撮影できるのである。
遠い場所を撮影するズームカメラの場合、どうしても水平画角は60度程度になってしまうが、固定型の広角カメラの場合、水平画角100度を超えるモデルもある。例えば、AXISのM3046-Vは、1.8 mmのレンズモデルの場合、なんと152度まで画角を広げることができるのだ。
画角が広いほど、より広範囲に撮影ができるため、原則としては画角が広いことが望ましいと考えられている。
画角が広いことのデメリット
ただし、画角は必ずしも広ければ広いほど良いというわけではない。あくまでも設置場所に応じて最適な画角のモデルを選定する必要がある。画角が広すぎるデメリットは主に以下の2点である。
①映像の歪みが大きくなる
画角を広げようとすればするほど、どうしても映像の歪み(端の丸み)が発生する。パッと見では分かりにくいかもしれないが、映像の中央は比較的、歪みが少ないが、映像の端の部分は湾曲していることがわかる。
近年では、画角を広げた場合でも、湾曲や映像の歪みがほとんど目立たなくなってきているものの、設置環境によっては映像の歪みが大きく見えてしまうことがある。
特に、360度を一度に見える全方位カメラは、補正してもどうしても映像の歪みは否定できない。
The perfect camera for your store - AXIS M3047-P/M3048-P Network Camera
②被写体が小さく見える
画角が広くなるということは、その分、相対的に被写体はモニタ上では小さく見えることとなる。例えば、以下のようなイメージである。
画角が狭い場合、撮影する被写体は画面上に比較的大きく表示される。一方で水平画角が広い場合、被写体は相対的に小さく見えてしまう。
よって、細い廊下や通路、特定の被写体だけを撮影する場合は、必ずしも広い水平画角は必要ないのである。むしろ、狭い画角でズームアップして撮影したり、垂直画角のみ広いカメラが望ましいケースもある。
最近では、広角のカメラであっても、映像の歪みが少ないモデルも増えてきているものの、やはりメーカーや機種によってこの湾曲のレベルはバラバラである。
残念ながら、どれだけカタログを読み込んでも、この映像の歪みがどの程度発生するのかを推測するのは非常に難しい。同じ水平画角が100度のモデルでも、ものすごく歪みが大きいメーカー・機種もあれば、ほとんど歪みのない自然な映像で撮影ができるモデルも存在している。
機種選定の際は、できるだけ実機を見ながら設置場所に最適なカメラを見つけて欲しい。