ネットワークカメラ推進会

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AIとネットワークカメラ

ネットワークカメラはAIとの連携で進化する

 

 現在のネットワークカメラシステムのほとんどの利用方法は防犯対策となっており、『録画をしておき、必要な時に再生する』というシンプルな内容である。従来から、このニーズは変わっていない。しかしながら、近年では、これまでの様々な記事でも説明した通り、マーケティングや業務効率の向上など、その利活用のシーンは拡大を見せている。

 

 その中でも、今後、期待されるのはAIとの連携である。各ベンダーがAIを次の大きな産業的革新と位置づけているのは言うまでもないが、そのAIの『目』としての役割をネットワークカメラが担うのだ。

 

 ネットワークカメラで撮影した映像をAIが解析する。従来はヒトが行っていたような作業をネットワークカメラや様々なセンサーを駆使して、AIが代わりに実行するのだ。ヒトの職業のあり方が大きく変化するだろう。

 

 ※なお、あらかじめ説明しておくが、筆者はAIに関しては決して明るいわけではない。AIに関する知識や技術については、別のサイトで確認して欲しい。本記事では、あくまでもネットワークカメラとAIの関係性について説明していきたい。

 

 

ディープ・ラーニングとは?

 

 ネットワークカメラには【属性推定】と呼ばれるソリューションがある。例えば、被写体となったヒトの性別や年齢を想定し、集計するようなものである。例えば、撮影した人物を【20歳:女性】、【30歳:男性】などと分析するようなソフトウェアである。

 

 これらのソリューションをご覧いただいた方から「これはまさにAIですね…。」という感想をいただくことがある。しかし、筆者としては、この感想には <ちょっとした違和感> を感じている。

 

 どういうことかというと、そのソフトウェアは『自己学習していない』からだ。まずは、以下をご覧いただきたい。

 

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 パターン①では、ネットワークカメラで撮影した映像からヒトの顔を抽出し、あらかじめソフトウェアに登録されているデータ(30代男性の特徴を膨大に記載した辞書のようなもの)と比較し、年齢と性別の推定を行う。

 『被写体を撮影 → 辞書を参照 → 結果を発表』というイメージである。

 

 一方で、パターン②ではその方法が大きく異なる。もちろん、被写体を撮影後に、辞書データを参照するのであるが、ソフトウェア自体が30代男性の特徴を辞書に追記していくのである。

 『被写体を撮影 → 辞書を参照し、特徴を追記 →結果を発表』というイメージである。つまり、パターン②では、ソフトウェア自体が、30代男性の特徴をどんどん増やしていくことができるのだ。

 

 結果として、『30代男性』と発表する機能は同じものであるが、理論上は、パターン②の方が徐々に推定の精度は高くなると考えられる。筆者の認識では、このように『自己学習ができる能力』がディープ・ラーニングであり、AIのメリットであると考えている。

 

 AIとネットワークカメラの連携とは

 

 現在、筆者の認識では、ネットワークカメラのほとんどのソリューションがパターン①の『辞書参照型』であると考えている。もともと保有しているアルゴリズムの中で判断するため、一度導入したシステムの発展・発達は期待できない。

 

 一方で、今後、市場に広がっていくことが期待されるのは、パターン②の『自己学習型』である。一度導入したシステムは、利用すればするほど、その能力を高めることができるのだ。

 

 

 特に、注目されるのがクラウドサービスである。最近では、ネットワークカメラの映像をクラウド上にアップロードして利活用する動きも加速している。今後、このクラウドサービスを活用した『自己学習型』のソリューションが徐々に市場に展開されることを筆者は願っている。

 

 自前のサーバー(オンプレミス)だけでは、膨大なデータを収集し、新たにデータベースに学習させ続けることは困難であり、また、費用が大きくなる。一方で、クラウドサービスであれば、大量のカメラの映像から情報収集を行い、自己学習させることができるだろう。

 

 これまでヒトが行っていた『仕分け作業』や『巡回・点検業務』、『計測・推定していた業務』なども、これからはネットワークカメラとAIに置き換えることができるかもしれない。

 防犯対策においても、単に録画しておくのではなく、不審者を事前に推定したり、効率的に映像を再生できるようなソリューションが生まれるかもしれない。

 

 これらのAIとネットワークカメラ、およびIoTデバイスが連携していくことで、世の中は大きく変わっていくだろう。ネットワークカメラが、単なる防犯カメラの役割だけではなく、本当の意味で『ソリューション』に生まれ変わるためには、AIとの連携が必然的な流れなのだ。

 

カメラ本体に頭脳がある

 

 そして、クラウドサービスと同様に重要であることが、『カメラ本体が頭脳を持つ』ということである。例えば、クラウド上に映像をアップデートしようとすると、台数が多くなると、さすがに帯域が厳しくなる。

 

 2~3台くらいの少ないカメラの映像アップロードすることはそれほど難しくないが、100台のカメラの映像をクラウド上にアップロードしようとすると、相当なネットワークのバックボーンが必要となる。一般ユーザーでは、現実的なシステム構成ではない。

 

 これを解決する1つの方法が、『カメラ本体に頭脳を持たせる』ということである。撮影した映像から、まずは一時処理として「カメラ本体が解析を行い、その結果や必要な映像や画像だけをクラウド上やサーバーにアップロードする」のだ。この方法であれば、ネットワークの帯域も抑えることができる。

 

 近年では、ネットワークカメラ本体に様々なアプリケーションをインストールすることができるモデルが存在しているが、クラウドサービスとの連携が進めば、新たな技術的な革新が期待できるかもしれない。

 

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まとめ

 

 *ディープ・ラーニングと呼ばれる『自己学習型』の仕組みが存在している。

 

 *ネットワークカメラはAIやクラウドサービスとの連携により、活用シーンがさらに広がる可能性がある。