ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

AXIS Camera Station フェイルオーバー録画

録画されていないトラブルについて

 

 筆者は、AXIS Camera Stationは中小向けの録画ソリューションとしては非常に機能が充実していると考えている。筆者が必要だと思っている機能を、ほぼ網羅している。その1つがネットワーク機器の障害時のフェイルオーバー録画機能(SDカードによる録画)である。

 

 ネットワークカメラシステムでは、度々、様々な原因によって録画が停止してしまうリスクが存在している。例えば、カメラ本体や録画サーバーの故障、誤った操作、停電など様々な理由がある。

 

 今回の記事で説明したいのは、ネットワーク機器の障害である。

 

 例えば、録画サーバーとカメラの間で様々なネットワーク機器を経由している場合、途中に設置している機器の故障によって、すべて(または一部)のカメラの録画が停止してしまうことがある。

 

 この際に、フェイルオーバー録画機能を設定しておくことで、一時的にカメラに内蔵されたSDカードで録画をしておくことができるのである。

 

 ※なお、他の録画ソリューションの場合、録画サーバーそのものを複数台設置することによって 冗長性を図るものを示していることもあるが、AXIS Camera Stationのフェイルオーバー録画はあくまでもSDカードによる録画を示している点を注意して欲しい。

 

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どのようなケースで役に立つのか?

 

 この機能が具体的にどのようなシーンで役に立つのかというと、連休期間中の録画のバックアップなどである。例えば、連休期間中に事務所荒らしなどの被害に遭ったとする。

 会社が休みに入る前にはシステム全体が問題なく稼働していたのに、休暇期間中に何らかの原因でネットワーク機器の障害が発生したとする。この場合、通常時は録画データを完全に消失してしまい、犯人の特定が難しくなってしまう。

 しかしながら、フェイルオーバー録画機能を設定しておくことで、カメラ本体のSDカードに録画データを残しておくことができるのだ。

 

 連休期間中以外にも、たまたま何らかの要因で一時的にLANケーブルを抜いてしまったり、機器故障が起きた場合にも、SDカードには録画データが残る可能性が高くなるため、録画期間の欠損を防ぎたいユーザーには推奨したい機能である。

 

 ※なお、ネットワーク障害時のSDカードによる録画は、アクシスカメラステーションがない場合もカメラ本体側の設定で行うことができるケースもある。今回の記事で最も重要な点は、録画ソフトの再生画面でSDカードの映像を閲覧できる点である。

 

 ※また、カメラ本体が故障していたり、カメラに直結しているPoE HUBが故障した場合には、SDカードによる録画はできないため、100%の録画データの欠損を防ぐものではないことをご留意頂きたい。

 

 ※なお、JPEGは非対応のようである。

 

実際の設定方法

 

 実際に、アクシスカメラステーションにて設定を行ってみた。

 

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 ここでわざと、LANケーブルを抜き、ネットワーク障害を発生させた。アクシスカメラステーションの録画もこれに合わせて停止された。

 

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 アクシスカメラステーション側で録画映像の再生画面を見たところ、ネットワークが切断された部分については、タイムバーの部分が<青色>ではなく<黒色>になっていた。アクシスカメラステーションでは録画が停止していたはずの時間帯も、問題なく再生することができた。

 

 SDカードに録画された映像を再生する際にカメラにブラウザ接続をして再生するのではなく、アクシスカメラステーションの再生画面で通常の録画映像のように再生ができるのは非常に利便性が高いと感じた。

 

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 ※なお、SDカードにはもともといくつかの録画データが保存されていたが、アクシスカメラステーション側でフェイルオーバー録画の設定を行うと、以前の録画データは削除されていた。

 設定時にフォーマットされている可能性があるため、設定時は注意して欲しい。

 

今回うまくいかなかった点として

 

 筆者のシステム環境または設定に何らかの問題があったのか、なぜかライブ映像がすぐに表示されないトラブルが確認された。録画は適切にできているが、ラのライブ映像の接続については「再接続中 XX秒」とのコメントが表示されたまま、なかなか安定しないことがあった。

 

 カメラ側の問題であるのか、または筆者のPCのスペックが不足しているのか切り分けることができなかった。もし、本構成での導入を予定されている場合、念のためテストをしておくことと良いだろう。

 

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 筆者のケースでは「常時録画」と「フェイルオーバー録画」の両方を同時に設定した場合にこの現象が発生していた。

 

解決方法として

 

 「管理」の画面を見たところ、新しいファームウェアがリリースされていたようなので念のため、更新を行った。

 

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 「デバイスの新しいファームウェアバージョンがあります」とのコメントがあるので、更新を行う。「更新を確認」を押下し、OKボタンをクリックすると、数分間でカメラ本体のファームウェアのバージョンアップが完了した。

 

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 カメラ側のファームウェアのバージョンアップを行うと、その後は安定した。

 

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まとめ

 今回は、ファームウェアの問題があったのか、ライブ映像に影響が出てしまったが、ファームウェアの修正後は安定稼働するようになった。

 

 また、ネットワークの障害発生時にもSDカードの録画映像を再生できた。障害発生時のリスクを軽減したいユーザーは試してみて欲しい。