今後は高いフレームレートがスタンダードとなる!?
本記事では、現在、主流となっている3fps~5fpsでの録画を、20fps~30fpsまで上げても問題がないかどうか考えてみることとする。
日本では通常、3fps~5fps
ネットワークカメラには『フレームレート』という考え方がある。これは『1秒間に何コマの映像で撮影するのか?』というものだ。
つまり、30fpsで撮影した場合、非常に滑らかな映像となり、1fpsで撮影した場合は、カクカクした映像となるということだ。
直観的には、より滑らかな30fpsで録画したほうが良いように思われるかもしれないが、必ずしもそうではない。30fpsで録画した場合、帯域や録画容量が大きくなってしまうというデメリットがある。
そのため、日本においては3~5fps程度で録画されることが一般的となっている。防犯対策においては、それほどフレームレートを上げなくても十分にヒトの動きを撮影することができるためだ。
上記は、<1fps、5fps、10fps、30fps>の映像の見え方を比較したものである。1fpsでは、さすがにカクカクするものの、5fpsではヒトの動きをある程度、撮影することができる。10fpsで撮影すると十分に滑らかだ。動く車両やカジノなどの特殊な撮影シーンを除いては、30fpsまで上げる必要はないだろう。
上記のような事由により日本国内においては、3~5fpsが一般的なフレームレートとなっているのだ。
これからは、30fpsを主流とすべきか?
このように現状では3~5fpsが主流となっているが、今後は、日本国内においてもフレームレートを高く設定しても良いかもしれない。
なぜならば、ネットワークカメラの映像圧縮技術が年々、進化しているためである。
例えば、上記は25fpsの映像である。ほとんど変化のない映像であれば、ビットレート(録画容量)は、100Kbps以下となっており、極めて少ない。録画用のハードディスク容量は非常に小さいもので済むのである。
ここで激しく動く被写体(オレンジ色の人形)を映像に入れてみることにした。すると、ビットレートは約2000Kbps(2Mbps)程度まで上がった。とはいえ、25fpsまでフレームレートを上げているのに、2Mbps程度であれば、それほど容量は大きくない。
一時的にビットレートが上がったとしても、また被写体がいなくなるとビットレートは低下するため、録画容量全体で見るとハードディスク容量を大きく削減することができるのだ。モーション検知録画などと組み合わせて録画を行うと、さらに容量を圧縮することができるだろう。
また、アクシスコミュニケーションズのカメラには、ダイナミックFPSという機能がある。これは、映像の変化量が大きい時だけフレームレートを自動的に上げて、また変化量が小さくなるとフレームレートを下げる機能である。この機能をフル活用すると、少ない録画容量で録画することが可能である。
1~2週間程度の録画であれば、20fps~30fpsで録画を行っても、まったく問題ないと言えるだろう。
まとめ
- 日本国内においては、現状では3fps~5fpsが主流となっている。
- 防犯対策であれば、3fps~5fpsでも十分に撮影が可能である。
- しかし、近年は映像の圧縮技術が進んでいることから、20fps~30fpsで録画を行っても、それほど大きな録画容量が必要ではなくなってきている。
- 今後は、20fps~30fpsが主流となる可能性もある。