ネットワークカメラ推進会

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映像圧縮技術の重要性

映像を圧縮することの重要性

ネットワークカメラにおいて、もっとも重要な性能の1つに「どれだけ映像の容量を小さくできるか?」ということがある。

高解像度で高いフレームレートの映像を送信すると、当然ながら映像の容量は大きくなる。しかし、効率的に動画を圧縮することで、映像品質を維持しながら、データ容量を少なくすることが可能だ。

カメラ1~2台だけの小規模なシステム構成の場合、それほど気にすることではないが、大規模システムになると、カメラ1台あたりの映像容量をどれだけ下げられるかが非常に重要だ。

仮に、1台で2Mbpsの通信容量が必要なカメラがあった場合、1か月の録画に理論上は、約648GBが必要だ。カメラ100台では、約64.8TBも必要となる。

一方で、もしカメラ1台の通信容量を1Mbpsにまで下げることができれば、1か月の録画に必要なHDDは、理論上、約324GBとなる。カメラ100台では、約32.4TBまで抑えることができる。

カメラの映像の圧縮能力は、HDDのコストに直結するため、カメラ選定時に極めて重要な指標となる。そして、各メーカーのカメラの映像の圧縮能力についてはカタログには掲載することが難しく、また環境によっても大きく異なるため、実機で撮影テストを行うしか評価方法がない。

 

 

AXIS のネットワークの例(JPEGの場合)

上記は、AXIS M1065-Lで下記の設定値で撮影した場合の映像の通信量である。

JPEG 1280×720 25fps(1秒25コマ)

今回、この映像では、平均して約11Mbps~12Mbpsの通信量となっていた。カメラ100台で1か月録画すると、理論上は約324TBものHDDが必要となる。そもそも、ネットワーク機器やレコーダーの処理速度が追い付かず、対応できない可能性が高い。

 

 

AXIS のネットワークの例(H.264の場合)

ここで、設定をJPEGからH.264に変更してみる。

H.264(ベースライン) 1280×720 25fps(1秒25コマ)   ※Zipstream OFF

今回、この映像では、平均して約0.35Mbpsの通信量となっていた。大きく通信量が減らすことができた。

 

 

 


さらに、H.264(ハイプロファイル)に変更してみる。

H.264(ハイプロファイル) 1280×720 25fps(1秒25コマ)   ※Zipstream ON

今回、この映像では、約0.01Mbpsの通信量となった。カメラ100台で1か月録画しても、理論上はたったの320GB程度でよいのだ。JPEGの時と比較すると、恐ろしいくらいにHDD容量を削減することができる。

※なお、今回の被写体は、ほとんど壁を撮影しており、全く動きのない映像であったため、このように極端な差が発生したが、実際の動きが多い映像ではここまでの差はないので注意して欲しい。

 

H.264の弱点として

なお、これだけ映像が圧縮できるのであれば、H.264の方が絶対的に良いように感じられるかもしれないが、H.264も完璧ではなく弱点もある。例えば、映像に常に動きがあるようなケースである。

具体的には、首振りができるカメラを常時、巡回して撮影するような場合だ。このような設置環境の場合、映像の変化率が非常に高くなるため、H.264形式で撮影しても、うまくデータ量を下げることができなかったり、ノイズが極端に目立ってしまうことがある。

 

まとめ

いかに、映像を圧縮することが重要であるのかお分かりいただけただろうか? 繰り返しになるが、残念ながら、各メーカーや各カメラの機種でどの程度の圧縮能力があるのかについてはカタログに表記することがなかなか難しい。

実際に、実機でテストを行う方法しか比較する方法がない。なお、筆者も複数のメーカーの映像を見てきたが、やはりその圧縮能力は大きく異なる印象を持っている。

大規模にカメラの導入を検討する際は、映像のキレイさはもちろんであるが、映像をどの程度、圧縮して保存できるのかも確認が必要だ。