DS-2CD2145FWD-I 2.8mm 4MPの圧縮技術とは?
筆者が購入したカメラは、ハイクビジョンのDS-2CD2145FWD-I 2.8mmというカメラである。このカメラは従来のH.264による映像配信だけでなく、より圧縮技術を高めたH.265による映像配信も可能である。今回は、このH.265の実力に迫ってみる。
①まず最初に、VMS上で設定を以下の通りとした。
H.265 2688×1520(16:9)25fps 映像品質:5
この設定値におけるビットレートを確認したところ、おおよそ<100KB/s>で推移していた。ほとんど動きや色彩のない被写体とはいえ、25fpsでこのデータ容量はかなり驚異的な数字であると思われる。
現状の録画の設計値ではほとんどの場合、フルハイビジョン(2MP)またはハイジジョン(1MP)程度で設計されることが多いが、ここまでデータ容量を圧縮できるのであれば、4MPの高解像度の録画でも問題がないように感じる。
②次に、VMS上で設定を以下の通りとした。
H.265 1920×1080(16:9)25fps 映像品質:5
※先ほどよりも解像度をフルハイビジョンに落とした。
この設定値におけるビットレートを確認したところ、おおよそ<350KB/s>で推移していた。てっきり解像度を下げたので、先ほどの①の4MPの設定値よりも映像が圧縮できるものと考えていたが、実際には逆に先ほどよりも若干、容量が大きくなってしまった。
1枚目の映像と比較いただくと分かりやすいかもしれないが、1枚目の画像は解像度が高い分、壁面の白い部分のノイズや潰れが少ないが、フルハイビジョンに解像度を落とした場合、壁面のノイズや潰れが発生してしまい、その結果として逆に映像が重たくなってしまったことが想定される。
実際に撮影する被写体においてはこのように、真っ白で動きの少ないケースはあまりないかもしれないが、被写体によっては解像度が高いほうが容量が小さくなるという矛盾した現象も起きることが分かった。
③最後に、VMS上で設定を以下の通りとした。
H.264 2688×1520(16:9)25fps 映像品質:5
※H.264に戻し、解像度を4MPに戻した。
すると、ビットレートはなぜか一桁台まで低下した。<5~10KB/s>程度と極端に容量が小さくなったのだ。筆者の認識では、H.265の方がH.264よりも圧縮技術が優れているとの考えであったため、この結果には不可解だと感じているが、いずれにせよ、容量を大きく減らすことができた。映像のノイズや潰れもほとんど見られないことが分かる。
筆者も、ハイクビジョン社のカメラの設定については、まだまだ十分に習得していないところがあり、もしかすると何らかの設定や調整が間違っていたのかもしれないが、いずれにせよ、ハイクビジョン製のカメラにおいても、動きが少ない被写体に対しては大きく映像を圧縮できることが分かった。
25fpsという高いフレームレートにも関わらず、ここまでデータ容量を圧縮できれば十分である。
今回は、あくまでも3パターンしかテストしなかったが、今後、ハイクビジョンのカメラの設定方法を理解し、さらに映像を圧縮する方法を模索していきたい。