ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

最も暗い場所に強いネットワークカメラはどれか?(メガピクセル編)

以前の記事でネットワークカメラのカタログスペックはあくまでも参考値であり、実際の性能については実機を並べて撮影テストをしないとあまり意味がないことを説明した。

特に、低照度性能については、各メーカーで基準や設定内容が異なる場合があるため、カタログスペックを比較することは意味がない。

しかし、あえてカタログスペックで各メーカーがどのような表記をしているのか確認をしてみることにする。あくまでも参考値程度で考えていただきたい。

比較条件

*原則、メガピクセルモデルとする。

※一般的には、センサーサイズが同じ場合、解像度が低い方が低照度性能を高くすることができるため

※ただし、フルHD対応モデルの方が低照度性能が高い場合はフルHDモデルで比較する。

*比較はモノクロではなく、カラーの低照度性能とする。

*レンズ付きのボックス型カメラとする。屋内外は問わない。

シャッタースピードは1/30秒とする。

*50IREを原則とする。

※IREとは、波形モニタで見たときの映像レベル50%をキープできるというものです。モニターで映し出せる最低の明るさ(黒)がIRE0%、一番明るい部分がIRE100%となる。平たく言うと、暗いところでも被写体がそれなりに確認できるレベルである。

 

各メーカーの比較結果

では、さっそく比較していこう!

 

<エントリーNO1>パナソニック WV-S1510

*0.008 lx( F1.6、最長露光時間: OFF(1/30 s)、AGC: 11)

※WEB上のスペック表にはIREの記載なし。

 

<エントリーNO2>ソニー SNC-VB640

*0.006ルクス (F1.2、AGC [Max]、View-DR [OFF]、VE [OFF]、1/30秒、30IRE [IP])

*0.01ルクス(50IRE時)

 

<エントリーNO3>キヤノン VB-M740E

*0.02 lux(F1.2、シャッタースピード 1 / 30 秒時、スマートシェード補正off 時、50IRE 時)

 

<エントリーNO4>AXIS P1364

*0.1ルクス (50 IRE)

※WEB上のスペック表にはシャッタースピードの記載なし

 

<エントリーNO5>ボッシュ NBN-71013-B

*0.017ルクス (F1.2、30IRE)

※WEB上のスペック表には50IRE時の記載はなし

 

<エントリーNO6>ハイクビジョン DS-2CD4012F-A

*カラー: 0.01 lux@F1.2, AGC on

※WEB上のスペック表にはIREの記載はなし

いかがだろうか?

改めて各社のスペック表を見返してみたが、測定基準がバラバラのため、カタログを見ても比較できないことが分かったシャッタースピードの記載がなく、IREの%も各社で異なっていた。

しかし、強いていえば、カタログ上はソニーのSNC-VB640が低照度対応のスペックが高いように見える。検討時の参考にしていただければ幸いだ。

 

AXISカメラの低照度性能

比較した上記の数字だけを見ると、AXIS社の性能が劣っているようにも見えてしまうが、同社は以前からLightfinderテクノロジーと呼ばれる低照度性能とWDR(フォレンジックキャプチャー)という高い逆光対策の性能を持っていた。下記の動画をご覧いただきたい。

これは夜間に撮影した映像で、徐々にカメラの感度(暗闇での撮影の性能)を高めていく動画である。まるで日が昇って明るくなっているように見えるが、そうではなくカメラの低照度性能である。当時、私もこの動画を見て驚愕したのを覚えている。

 

今後も各社から低照度性能の高いハイスペックカメラが続々とリリースされていくだろう。

今回は、メガピクセルカメラ(一部、フルHD)で比較したが、そのほかの解像度のカメラも、次回以降、紹介していきたい。