外灯の明かりを利用する
ネットワークカメラの屋外に設置する場合、夜間に撮影できるかどうかは重要なキーポイントとなる。
そのため、各カメラメーカーが「どれだけ暗い場所で撮影ができるか」という最低照度性能を競い合っている。近年では、月明り程度の光でもカラー撮影ができるモデルもリリースされており、非常に暗い環境でも撮影が可能となった。
外灯などでわずかな光があれば、ほとんどの場合、屋外での撮影が可能だ。しかし、この外灯の光を頼ってカメラを設置した場合、思ったように撮影ができないことがある。主に下記の2つのパターンだ。
外灯による予期せぬトラブル
パターン①:外灯で眩しすぎて逆光が発生する
まず、よく発生するのが、外灯が眩しすぎてハレーションのような状況が起きるパターンである。これはカメラの対角線上に光源がある場合に起きる可能性がある。この対策としては、できるだけカメラの逆光対策(ワイドダイナミックレンジ)が優れている機種の導入が望ましい。
パターン②:カメラ付近だけが明るく、被写体に光が届かない
では、逆にカメラ付近に光源があればよいかというと、そういうわけでもない。カメラ側に光源があった場合、撮影したい被写体まできちんと光が届かないと逆に撮影が困難になる。
これは赤外線投光器を利用した場合に度々起きる問題であるが、例えば、撮影したい被写体が30m付近に存在しているのに、赤外線投光器が10mの投射能力しかない場合、逆に撮影が難しくなることがある。その場合、赤外線の投射をOFFにした方が適切に撮影ができることもある。赤外線投光モデルを選定する際は、きちんと被写体まで光が届くモデルを選ぶ必要があるのだ。
人間の目も基本的には同じ原理である。例えば、夜間に明るい部屋にいた場合、外の様子が見えないが、外から部屋の中はカーテンがないと丸見えだ。
まとめ
このように、カメラの性能は向上しているものの、近くに外灯があるからと言って、適切に被写体を撮影できないケースもあるので注意が必要だ。
照明や赤外線投光器を利用する場合は、きちんと被写体まで投光できることが重要となる。
また、設置後にこのようなトラブルに合わないためにはどうすればよいかというと、現実的には「実機で撮影テストをする」しかない。
設置環境は場所によって大きくことなるため、できるだけ事前に撮影テストを行い、チェックしておくことを推奨する。