ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

シャッタースピードの重要性

動きが早い被写体には、シャッター速度を上げる必要性

ネットワークワークカメラの設定を行う際に、最も重要となる要素の1つが「シャッタースピード」である。例えば、暗い環境下でカラー撮影をしたい場合、カメラ本体の低照度性能が低くても、シャッタースピードを遅くすることで撮影することが可能となる場合がある。しかしながら、シャッタースピードを遅くしてしまうと、被写体がブレてしまい適切に撮影することができない。

 

まずは下記の動画をご覧いただきたい。

(※なお、以降、動画を再生する際は<全画面表示><スロー再生>を推奨する。)

最初の映像はシャッタースピードが「1/25」の映像である。明るくて、パッと見ではキレイに映っているように見えるが、一方で被写体が動いている間は、ビンに何が書いてあるのか見ることができない。

2番目の映像はシャッタースピードが「1/100」の映像ある。ある程度、被写体もキレイに撮影することができている。しかし、ビンが早く動いている場合は、文字までは読み取ることができない。

3番目の映像はシャッタースピードが「1/1000」の映像ある。全体的に映像が暗くなっているが、素早くビンを動かした場合でもビンの文字もギリギリ見ることができる。しかし、やはり暗いため、ノイズが激しいのが欠点だ。

 

続いて、シャッタースピードが「1/500」の映像ある。ある程度、明るく被写体も撮影することができており、ビンを素早く移動させた場合も、ビンに記入している文字を読むことができる。バランスの良い設定値である。

 

シャッタースピードが「1/500」の映像では、<ノンオイル>や<8kcal>という文字をよむことができる。

f:id:networkcamera:20181213001616j:plain

しかし、さすがに賞味期限までは読み取ることができなかった。

 

f:id:networkcamera:20181213001607j:plain

そこで、さらに設定値をカスタマイズしていく。シャープネスを<100>近くまで上げて、モノクロモードに変更した。また、露出レベルやボケの少なさ、画像の圧縮度なども微調整を加えた。その映像が以下だ。

 

まだまだ、<赤外線投射>や<フォーカス>の問題など、多くの改善点はあるものの、ある程度、賞味期限も見える機会を増やすことができた。

 

スロー再生すると<2018.08.08>の文字を確認することができた。

 

実際にここまでシビアな設定を行わなければならないケースは少ないが、筆者はネットワークカメラを設定する技術者の腕の見せ所の1つだと考えている。

特に、「製造業におけるベルトコンベアを流れる製品を撮影する場合」や「車両のナンバープレートを撮影する場合」など、撮影する照度環境と被写体のスピードを見ながら、最適な設定値を探っていく必要がある。

 

 

ネットワークカメラの設定方法に関する重要な点

そして、もっとも重要なことがAXIS製ネットワークカメラのように「設定値を変更した瞬間にPCのビューワーに表示される画像も設定が反映できること」が非常に重要だ。

他メーカーのカメラによっては、シャッタースピードを変更する画面とビューワー(実際に映像を見る画面)が別画面になっていたり、カメラを再起動しないと、設定がうまく反映できないケースもある。これは設定する技術者にとっては致命的な欠陥であると言わざるを得ない。

設定を行う最中、どんどん設定値を変更してさまざまなケースを試したいのに、設定画面が別画面であったり、再起動しないと設定が反映しないようなカメラは技術者にとって、とても扱いにくい。現場は必ずしも十分な明るさが確保できない場所で作業していることも多く、効率的に作業をしたいのだ。設定を入れた瞬間にビューワーの画面にも、その設定値が反映されるカメラが望ましい。

そして、技術者が設定値を探している最中は、周りで見守る営業やユーザーも暖かい目で見守って欲しい。かなり集中して作業をしているはずなので、作業が終わるまではあまり声をかけずに黙って見守る方が良い結果が得られるだろう。設置環境によって、被写体に当たる光量はどうしても変化するため、なかなか想定していた設定値がそのまま適用できるわけではないのだ。現場である程度、時間をかけてベストな設定値を探し当てる必要がある。