ナンバープレートの撮影は難しい
近年、ネットワークカメラシステムでは、高画質化が進んでいる。数年前と比較すると圧倒的に映像品質が向上した。ハイビジョンやフルハイビジョンでの撮影が一般的になっている。近年では、4Kにも対応しているカメラも存在する。
これだけ解像度が高くなっているのだから『ネットワークカメラシステムでナンバープレートも撮影ができる』と思われる方も多いかもしれない。
しかしながら、ネットワークカメラシステムでナンバープレートを撮影するためには高度なテクニックが必要となるため説明しておきたい。
車両を正面から撮影しなければならない
まず、ネットワークカメラシステムでナンバープレートを撮影する難しい点が『車両を正面から撮影しなければならない』という点である。
当たり前だと思われるかもしれないが、これが結構、難しいのだ。一般的な屋内でヒトを撮影する場合、天井などヒトの真上にカメラを設置すればよい。
しかしながら、車両を撮影する場合、車両の真上にカメラを設置することは困難だ。大抵の場合、道路の脇にカメラを設置しなければならない。当然ながら、カメラはナナメから角度を付けて車両を撮影することとなる。そのため、車両を正面から撮影できないこともあるのだ。
さらに、道路には幅があるため、まっすぐに車両を撮影しているつもりでも実際には角度がついてしまうことも少なくない。正面から車両を撮影できるポイントを探すことは案外難しいのだ。
ヘッドライトの影響を受けてしまう
ようやく車両を正面から撮影できる設置ポイントを見つけたとしても、まだまだ課題がある。それがヘッドライトへの対策だ。仮に、車両の正面にカメラを設置した場合、当然ながらヘッドライトの光を真正面から受けてしまう。
ネットワークカメラにとっては強烈な逆光が生まれてしまい、ナンバープレートがほとんど見えなくなってしまうのだ。
よって、やはり車両と多少、角度のついた場所から撮影を行う必要がある。または、ヘッドライトを極力、正面から受けない設置ポイントを探さなければならないのだ。
車両は動くのため、シャッター速度の調整が必要
そして、ナンバープレートの撮影が最も難しい理由が、『車両は動いている』という点だ。一眼レフカメラを扱ったことがある方であればわかると思うが、動く被写体を撮影する場合、シャッタースピードを早く設定する必要がある。
シャッタースピードを早くすればするほど、より動きの速い被写体を撮影することが可能となる。しかしながら、デメリットとして映像全体が暗くなってしまうのだ。
昼間の明るい場所であればシャッタースピードを上げたとしても問題はないかもしれないが、夜間にナンバープレートの撮影をしようとすると課題が多い。シャッタースピードを上げるほど、暗闇に弱くなってしまうので、ナンバープレートの撮影ができなくなってしまうのだ。
ナンバープレートの撮影は、暗やみとの闘いと言っても過言ではない。
シャッター速度については、以下のURLに詳細を説明しているため参照して欲しい。
赤外線投射を行う
シャッター速度を上げてナンバープレートを撮影する場合、強烈な赤外線投射を行うことが有効である。
ネットワークカメラの業界でもよく用いられているのが、以下の製品だ。
赤外線投光器に交換用のレンズが存在しており、レンズを交換することで、赤外線投射の範囲や強さをコントロールすることができる。白飛びが発生しない強さで、かつナンバープレートを照らすことができる光の強さを作り出す必要があるのだ。
まとめとして
- 近年、ネットワークカメラは高画質化が進んでいるが、ナンバープレートの撮影は難しい場合もある。
- ナンバープレートを撮影する場合、車両を正面から撮影する必要がある。
- 動きがある車両を撮影するため、シャッター速度を上げて撮影しなければならない。