ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

ネットワークカメラと接点連動

防犯センサーとカメラを連携させる

 

 ネットワークカメラの業界では、しばしば『接点』や『IOポート』、『デジタルIN/OUT』、『IN/OUT』、『入出力端子』、『センサー端子』などと呼ばれる言葉が用いられる。

 これはざっくりと説明すると、『防犯センサー』など外部のデバイスと接点を利用した連携をさせるための端子である。 ※以下、IOポートと記載する。

 

 多くのメーカーや機種でこの仕組みを保有しているが、意外と知らないユーザーやセールスマンも多いため、是非紹介しておきたい。

 

 ネットワークカメラシステムでは、カメラ本体に「モーション検知」の機能を備えているモデルも多いが、カメラのモーション検知では、どうしても映像の変化量や差分で判断しているだめ“誤検知”や“検知漏れ”のリスクが高くなる。

 

 そのため、物理的な赤外線センサーやパッシブセンサー、レーザーセンサーなどとカメラを連携させるケースがある。また、カメラから接点を出力することで外部のLEDライトや照明などのON/OFFを切り替えることも可能である。

 

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カメラのIOポート

 

 ネットワークカメラ本体には、筐体の中に以下の写真のようにメタル線を結線するための端子が存在している。

 ※なお、モデルによっては端子がないものもある。

 ※端子の数についても、機種によってまちまちである。

 

 この端子に防犯センサーから配線したメタル線(一般的にはAWGケーブル)などを繋ぎ合わせることで、ネットワークカメラと連携することができる。

  

 例えば、下の写真では、入力端子の【+】と【-】が結線された場合、レコーダーで録画が開始されて、ライブ映像上で赤い枠で強調表示されるように設定した。イベントがあった箇所はサムネイル画像が表示されるため、すぐに問題が発生した時間帯の映像を再生することが可能となる。

 

  (※なお、どのような状態でONにするのかはカメラ側の『ノーマルオープン』『ノーマルクローズ』など、設定変更することができる。)

 

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 上記では【入力端子】の方法であるが、カメラによっては【出力端子】を保有するモデルもある。<接点>と呼ばれる信号をやり取りすることで、防犯センサーから信号を受け取ったり、ライトを付けたり消したりすることもできるのである。

 

 

製造業での生産設備との連動

 

 この<接点>の出力端子を保有する機器は、防犯センサーや防犯ライトだけではない。製造業の生産設備でも、接点出力ができる外部出力端子を保有する装置も存在している。

 これらの機器とネットワークカメラをAWGケーブルなどのメタル線で結ぶことで、『何か生産設備に不具合が発生した場合に、ネットワークカメラシステムと連動し、すぐに映像で確認する』というシステム連携も可能となるのだ。

 

 首振りが可能なカメラであれば、接点を受信したタイミングで、装置に対してズームアップを行う・・・などの設定を入れることもできる。

 

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接点の種類

 

 なお、接点にはA接点、B接点などと呼ばれるものが存在する。 A接点は、通常は回路が空いており、有効な場合にのみ回路が閉じるものである。例えば、ノーマルオープン式の押しボタンが分かりやすい。

 

 ちょっとした『押しボタン』があるだけでも、『ボタンを押すと、ボタンからA接点が出力され、カメラシステムからアラートが鳴る』という連携を構築することができる。不審者が店内に入ってきた場合に、ボタンを押すと、警備室にすぐに連絡ができるイメージである。

 

 一方、B接点は、通常は回路が締まっており、有効な場合にのみ回路が空くものである。例えば、イメージとしては、工場設備である。常に稼働している状態の場合、回路は閉じた状態となっているが、何らかの異常が発生し、回路が空くと電気が止まり、異常としてアラートがなるイメージである。

 

 また、C接点と呼ばれるものもあり、これはA接点とB設定の組み合わせで、電車のポイント切り替えのように、どちらかが有効となり、どちらかが無効となる仕組みである。

 

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 また、接点を出力する時間を調整したり、接点を分岐したりする場合、一般的には『コントローラー』と呼ばれる装置を設置することがある。これにより、検知や警備する時間を調整することができる。

 ※参考となるURLを貼り付けておく。

 

www.takex-eng.co.jp

 

まとめ

 

 ネットワークカメラは、現在、様々なシステムとの連携ができるようになっているが、その最も基本的な方法が『IOポート(またはデジタルIN)』による接点の連動である。

 多くの機器や生産設備で接点という信号を出力できるものがあるため、ネットワークカメラとさまざまなセンサーや設備、システムを比較的、簡単に連携することができる。

 

 決して新しい技術ではなく、かなり昔からあるレガシーな仕組みではあるが、ネットワークカメラシステムにおいては意外と利用されていないケースも多い。もし、何かの設備やセンサーとネットワークカメラを連携させたい場合、接点信号のやりとりで実現できることも多いので、参考にして欲しい。