ネットワークカメラとUTMは相性が悪い
ネットワークカメラはしばしばUTMやウィルス対策ソフトウェアとの相性が悪く、問題を引き起こす。
ネットワークカメラシステムは大容量の動画データを送受信するため、このデータの検閲に時間がかかり『タイムアウト』してしまったり、うまくレコーダーで録画ができなくなってしまったりするトラブルが起きてしまう。
実際に筆者のネットワーク環境においても、ネットワークカメラシステムはUTMのセキュリティの検閲対象外としている。
どうしてもUTMを設置してしまうと、アンチウィルス機能により速度の低下が発生してしまうためだ。
※なお、現在の筆者のネットワーク環境は以下の通りだ。
そこで今回は、 ネットワークカメラシステムとは直接的には関係はないが、『UTMがなかった場合』と『UTMがあった場合』でどの程度の速度の低下が発生するのかテストする。
通信速度の計測
何もない状態で速度を計測する
まずは、UTMもカメラシステムもない状態で、単純にPCのインターネットの速度を測定する。
構成としては【PC】-【ルーター】のみのシンプルなものだ。
※今回は以下のサイトで計測した。
結果としては、下りで350MBps 上りで460Mbpsという結果であった。光回線で、有線LANでのテストとはいえ、なかなか優秀な結果となった。
正直なところ、ここまでの通信速度は必要がない。オーバースペックだ。
UTMを介した場合の速度を測定する
続いて、UTMを接続した場合の速度を測定する。
構成としては【PC】-【UTM】ー【ルーター】というものである。
下りで270Mbps 上りで370Mbpsという結果であった。
正直なところ、このブログを書く目的としては、UTMを設置することで、インターネットの速度が大幅に落ちるため、ネットワークカメラシステムとの相性が合わないことがあるという結論にしたかったのたが、良くも悪くも、相当早い速度が得られた。
個人で利用するネットワークとしては十分すぎる速度だ。
今回の検証においては、UTMがない場合も、UTMがある場合も、それほど体感上の差はない結果となった。UTMのスループットが十分に早いのかもしれない。
その他の要因として
その他、速度が落ちなかった理由としては、もしかすると上記のスピードテストを行うサイトが【 https 】に対応しているからかもしれない。
一般的に、UTMのアンチウィルス機能は通信が暗号化されていたり、ファイルが暗号化されていると、検閲を行うことができないため、事実上、チェックしない状態であったのかもしれない。
まとめとして
今回の検証結果においては、インターネットを利用する上では、UTMを設置しない場合も、UTMを設置した場合も、ほとんど通信の差は発生していなかった。
もちろん、下りで80Mbpsほど低下はしているが、体感上の差はほとんどないと言っても良い。
とはいえ、冒頭、記載したようにネットワークカメラシステムとUTMを併用した場合、システムトラブルの原因となることがある。
ネットワークカメラ本体にはマルウェア対策ソフトウェアのインストールができないため、UTMなどの他のセキュリティアプライアンスで防御する必要があるが、場合によっては、ネットワークカメラシステムは除外設定が必要となることを覚えていて欲しい。