落雷により障害が発生
近年、異常気象の影響や大型の台風などにより、ネットワークカメラシステムで障害が発生するケースが増えている。
ネットワークカメラシステムの近くに対して落雷があった場合、LANケーブルを通じて多くのカメラが一斉に故障してしまうケースもあり、被害が甚大となる。今回は、ネットワークカメラシステムと落雷への対策について説明する。
※なお、この雷への対策については非常に奥が深く、筆者も専門家ではないことをご理解いただいたい。あくまでも一般的な知識として説明する。
電源タップによる落雷対策
最も簡易的な対策は、雷ガード付き電源タップである。例えば、以下のような製品だ。
数千円~で購入することができ、誘導雷などからシステムを保護することが出来る。誘導雷とは、電線から、モジュラージャックやコンセントなどを伝って屋内のPCなどに侵入する高圧電力である。
また、高品質のモデルになれば、進入雷(空気を伝わって侵入する高圧電力)に対応しているモデルもある。さらに、ブレーカー内蔵のモデルの場合、ある一定の電圧を超えた場合、自動的に電源を切ることが出来るものもある。
最低限の雷の対策としては、このような雷ガード付きの電源タップを導入することである。
ただし、ネットワークカメラシステムの場合、LANケーブルを伝わって高圧電力が侵入するケースも多い。その場合、以下のようなSPDが必要となる。
SPD(避雷器)とは?
LANケーブル用のSPDとは、LANケーブルに本装置を挟みいれることで、雷への影響を軽減するものである。
SDPの設置場所については、機器と機器の間である。例えば、<カメラ>-<PoE HUB>-<レコーダー>の間それぞれに挟み入れる必要がある。
原則としては、アースと呼ばれる線を地面に接地することで、高電圧を逃がすことができる。一方、ジョブル社のJPOE-B2-1の場合、アース工事をしなくてもSPD本体で機器を保護する仕様となっている。
直撃雷では限界もある
このように、雷への対策については【雷ガード付きの電源タップ】や【SPD】などで機器を保護するよう努めることが必要であるが、限界があるのも事実である。
さすがに、機器に対して直撃雷や機器の仕様を超えるような高圧電力が流れた場合、機器に何らかの不具合が生じてしまうケースは否定できない。
ネットワークカメラシステムで行っているレベルの対策の場合、直撃雷に対しては、まず対応が難しいのではないかと思われる。正確には、雷だけではなく、自然災害に対しては完璧な対策は存在しないと筆者は考えている。
なお、繰り返しにはなるが、筆者も電気に関する専門家ではないため、上記はあくまでも一般的な対策や考え方であることはご留意頂きたい。
まとめ
*ネットワークカメラシステムを雷から守るためには、機器の電源だけでなく、LANケーブルからの高電圧の侵入を保護する必要がある。
*ただし、対策ができるのは誘導雷などに対するノイズへの対策となっており、直撃雷に対しては、保護することが非常に難しい側面がある。