やっかいな落雷による故障
ネットワークカメラシステムにとって非常に難しい問題が落雷への対策である。屋外にネットワークカメラを設置した場合、運が悪いと落雷の影響によりネットワークカメラシステム全体に故障が発生してしまうリスクがあるのだ。LANケーブルを伝わって過度な電気が流れてしまい、複数のカメラやレコーダーが一度に壊れてしまう。
直接的に落雷を受けなくても、誘導雷と呼ばれる周辺に落ちたカミナリにより、システム全体が不具合を起こしてしまうのだ。
対策にはサージプロテクターが必要
このような落雷への対策に必要なものがサージプロテクターである。いわゆるSPDと呼ばれるものだ。直撃雷については防ぐことは難しいが、誘導雷についてはその影響を少なくすることができる。
LANケーブルの間にSPDを挟み込むことにより、過度な電流を地面に誘導することができるのだ。アクシスコミュニケーションズでは、オプション品でAXIS T8601をリリースしている。
サージプロテクターを利用する場合、基本的には『接地』と呼ばれる施工が必要である。その名の通り、電気回路を地面に接続することにより、電気を地面に逃がすことができるのである。
接地が不要なサージプロテクター
このようにサージプロテクターの利用には、接地工事が必要である。しかしながら、設置環境によっては、接地工事が難しい場合もある。適切に接地ができていないと効果が得られないため、施工のハードルが少々高いのだ。
このような課題に対して、ジョブル社では設置工事が不要なサージプロテクターをリリースしている。
JPOE-B2-1は、接地をしなくてもカミナリのエネルギーを蓄積して少しずつ放出する技術を保有している。これをSEAT方式と呼ぶ。接地工事をしなくても、誘導雷の影響を軽減することができるのだ。
従来のサージプロテクターと比較して簡単に導入することができるため、ネットワークカメラシステムのベンダーにとっても非常に期待されている製品である。
接地工事が難しい場所でも誘導雷への対策を行いたいユーザーは本製品を試してみると良いだろう。
まとめ
- ネットワークカメラシステムは落雷の影響により、システム全体に不具合をが発生するリスクがある。
- 誘導雷への対策にはサージプロテクターが必要である。
- ジョブル社では、接地工事が不要なサージプロテクターをリリースしている。