モニタを増設・延長する方法
ネットワークカメラのレコーダーにモニタを増設や延長したいというニーズは多いが、実はシステム構成を組む際は様々なリスクが存在する。
主に、レコーダーのモニタを増やす場合は下記の2パターンがある。
PCを追加する方法
これは下記の構成図のように、レコーダーと同一ネットワーク内にPCをもう1台追加するパターンである。一般的にはPCからブラウザや専用のビューワーソフトでレコーダーに接続し、映像を確認する。1台のレコーダーに対して、何台さまでのPCが接続できるのかは各メーカーのレコーダーのスペックにより異なる。
この構成のメリットとしては、モニタAとモニタBでそれぞれ異なる画面表示が可能という点である。
モニタ(HDMIやRGB)の分配器を利用する方法
続いて、レコーダーのモニタ出力端子の先に<分配器>を設置し、モニタAと同じ映像をモニタBに表示する方法である。モニタAとモニタBは、同じ映像が表示されることとなる。レコーダーによって、RGB出力か、HDMI出力かなど仕様が異なるため、それぞれのレコーダーの仕様に応じた分配機が必要となる。
※参考として、サンワサプライ製品を紹介しておこう。
ただし、モニタの分配器を利用する場合はリスクがあることを認識しなければならない。
いつもROD社を例にしてしまい恐縮だが、ここでもROD社のHPを例に説明する。
例えば。ROD社のHPには運用上の注意点として下記の記載がある。
<引用開始>
ローカル・ディスプレイ使用上の注意
・推奨解像度は、フルHD(1920x1080)です。
・ 5m以上のHDMIケーブルを使用した場合、減衰等により映像が表示されない場合があります。 ・HDMI規格が適合しないモニターや分配器を使用した場合、映像が表示されない場合があります。
<引用終了>
上記のとおり、分配器を利用した場合は適切に表示されない場合があるため注意が必要だ。
・・・とはいえ、実際の導入現場においては、モニタを壁面などに取り付ける場合、どうしてもモニタを設置する場所にPCの取り付けが困難であるため、リスクがあることを承知でモニタの分配器を利用しなければならないケースも多い。
モニタの映像を離れた場所で表示する方法
最後に、モニタの映像を遠い場所で表示する方法について説明する。例えば、実際の商談においては、サーバールームにレコーダーを設置し、事務所内にモニタを壁面設置するケースがある。
イメージとしては下記のような構成だ。
理論上は、分配器から長いHDMI(またはRGB)ケーブルを利用してモニタBまで配線すればよいのだが、HDMIケーブルは5メートルを超えると大きく信号が減衰するため、5メートルを超える場合は延長器が必要だ。
上記の図では分配器と延長器が別々になっているが、分配と延長を1つの装置で補えるモデルも存在している。これも②の構成と同様に、レコーダーメーカーによっては、分配器や延長器の利用を推奨していないため、適切に表示できないリスクがあることを認識しておかなければならない。
なお、延長器は一般的に「エクステンダー」と呼ぶケースもある。筆者の経験上は、HDMI規格の場合、延長器と延長器の間は<Cat6>または<Cat5e>のLANケーブルを利用することが多いように感じている。延長器の機種によって、延長器と延長器のLANケーブルについてカテゴリの指定がある場合が多いので、施工前に必ず確認が必要だ。
上記に記載したサンワサプライ社のほかにも、ジョブル社の製品を紹介しておこう。
延長できる距離が100mの製品もあるため、レコーダーとモニタの設置距離が遠い場合は下記の製品を参考にしてほしい。
いかがだろうか。あくまでも、②分配や③延長は、レコーダーの機種によってリスクがあるケースもあるので十分に注意してほしい。