ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

ネットワークカメラと労働問題

AIにより失われる職業

筆者はこのところ、労働問題に関する記事を多く書いているが、それはネットワークカメラと労働問題が非常に関連性が高いと考えているためである。

正確には、AI(人工知能)とネットワークカメラにより、多くの職業が失われる可能性があるということだ。 

かつてあの経済学者のケインズは、人々の労働時間が週15時間程度になることを予言していたが、現在についてはその予言は外れている。しかしながら、AIの進化により、ケインズの予言が現実になろうとしている。

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日立と新日鉄住金が人工知能による生産計画の作成に関する実証実験を行っていることをご存知だろうか。 これまではヒトが生産計画を立案してきたが、その熟練者と同じ能力をAIにも保有させようとする実験である。

これまでは、ヒトが生産計画を作成し、ロボットやヒトを動かすことで製品を作り上げてきた。 しかし、これからはAIが生産計画を立案し、熟練工と同じ作業を行うのだ。ヒトの役割は、それらが正しく動いているのかチェックを行うだけである。 これまで人間にしかできないと考えられていた仕事が、いよいよAIに置き換わる可能性があるのである。

これは日立だけの取り組みではない。キヤノンもシーメンス社と組み、FA化(工場の自動化)を進めている。

global.canon

 

クリエイティブな仕事も例外ではない

まるでSFのような話であるが、一歩一歩、確実にその未来は近づきつつある。例えば、通訳の仕事もそうだ。現在はスマートフォンのアプリで簡単に、通訳ができるようになった。もう少し精度を高めて、リアルタイムで通訳ができるようなシステムができれば、もしかすると通訳という仕事さえもなくなるかもしれない。

クリエイティブな仕事も例外ではない。「Daddy's Car」という曲をご存知だろうか?これは、一部、作曲家が手を加えているものの、ベースとなる音楽はAIソフトが作っているのである。

動画編集の世界もそうだ。アクションカメラ「Graava」は、加速度計、GPS、さらには心拍数を利用することで、最もよい動画を自動的に編集する。

 

 

このようにありとあらゆる職業が、AIやカメラにより、その在り方が激変する可能性があるのだ。

 

これまでのネットワークカメラと言えば<防犯>や<監視>が主な使い方であった。もちろん、その映像を確認するのは人間であった。

しかし、今後は違う。ネットワークカメラの映像はAIが見るのだ。AIが映像を閲覧し、その映像を解析する。・・・それも、人間よりもはるかに高い解析能力でだ。

現在のネットワークカメラの多くが、ファームウェアに動体検知などのインテリジェント機能が搭載されているが、今後はさらに高度で複雑な処理ができるソフトウェアが搭載される可能性がある。まさにネットワークカメラは<頭脳を保有した目>となるのだ。

 

私たちはどう向き合うべきか?

このような未来が人間にとって「良い未来なのかどうか」は私にも分からない。しかしながら、少なくとも、この波は止めることができない。むしろ止めてはならない。

もし仮に「職業が失われるから」という理由でAIを拒むような姿勢や風潮があるのであれば、日本は世界から圧倒的に取り残されてしまうだろう。いかにAIを活用し、どう向き合うのか考えていく必要がある。

さて、昨今のニュースでは「春闘」や「ベースアップ」という言葉が聞かれるようになった。決して、労働組合の方々の努力を否定するわけではないが、もはや「わずかな賃上げ」について一喜一憂している場合ではない。まして、年功序列や終身雇用など存在しない。仕事そのものが大きく変わるのだ。

10年後、20年後のあなたの職業、そして仕事を考えて欲しいのだ。

vdata.nikkei.com