レコーダーの時刻のズレ
ネットワークカメラシステムを導入後、思わぬトラブルに遭遇することがある。
それは「録画装置の時刻がズレる」という問題である。
ネットワークカメラシステムは、インターネット環境に接続されているケースもあれば
インターネットに接続されていない場合もある。
問題となるのは「インターネットに接続されていない環境の場合」だ。
サイバー攻撃などのリスクを軽減する目的として、ネットワークカメラシステムであってもインターネットに接続しないオフライン環境下で導入するケースも少なくない。
しかし、オフライン環境下の場合「レコーダーの時刻がズレる」という問題に遭遇することがある。
一般的な時計を想像してもらうとわかりやすいが、電波時計などのように定期的に時刻を補正する機能がない場合、徐々に時間のズレが発生する。これと同じ現象が、ネットワークカメラのレコーダーでも発生するのである。
時刻のズレが発生した場合、各レコーダーのマニュアルに従って、時刻を再設定すればよいのだが、この作業には十分に注意が必要だ。
あまりにも大幅に時刻の修正を行った場合、「時刻がズレた分、録画データが消失」したり、最悪の場合「録画データを参照できなくなるリスクが発生」する。
タイムサーバー
このようなトラブルを回避する目的として、タイムサーバーがある。
(※NTPサーバーと呼ばれるケースもある。)
GPSやFMの電波で正しい時刻を取得し、各ネットワーク機器の時刻を補正可能な装置もある。正しい時刻による記録を希望するユーザーは導入を検討したい。カメラやレコーダーは定期的に、タイムサーバーと時刻を同期させることで正しい時刻を維持することが出来る。
※なお、インターネット環境に接続されているレコーダーであれば、ntp.nict.jpなど一般的に公開されているタイムサーバーと時刻を同期することが可能なため、タイムサーバーは必須ではない。
タイムサーバーの選定方法
タイムサーバーによっても、時刻の取得方法はさまざまなパターンが存在する。
①GPSで適切な時刻を取得するタイプ
例えば、下記のような製品である。
シチズンGPSタイムサーバー(TSV-400GP)
インターネットがない環境下でも、適切な時刻が得られる。ただし、GSPを受信するアンテナを屋外または窓際などに設置しなければ、適切に信号を受信できないため、設置場所に制限がある。
②FM電波でな時刻を取得するタイプ
例えば、下記のような製品である。
セイコーソリューションズ 小型SNTPサーバー NaviClock SN-1010
GSPが受信できないような環境でも、FMの電波により正しい時刻の取得が可能であるため、
屋外や窓際にアンテナを設置することができない場合は、こちらの製品を選定したい。