アナログカメラのメリット
本サイトはネットワークカメラ推進会という名称で、ネットワークカメラの普及と活用を目的としたものである。
しかしながら、あえて今回はアナログカメラ(正確には同軸ケーブルを使ったカメラ)のメリットについて説明しよう。
結論から言うと「コストを抑えて、小規模で導入する場合、アナログカメラの方がコストパフォーマンスが高い」のだ。
また、既存でアナログカメラを利用しているユーザーも既存で同軸ケーブルが配線されているため、そのケーブルを再活用できるという点でアナログカメラで入れ替えた方がメリットが高い。
ネットワークカメラに入れ替える場合、LAN変換装置やケーブルの引き直しが必要となるためだ。
これまで、アナログカメラは30万画素程度でネットワークカメラよりも画質が悪いという説明をしてきたが、近年では、AHD(アナログハイビジョン)やHD-TVIといったような同軸ケーブルを利用したカメラでも、ハイビジョン品質の映像を撮影することが可能となっている。
まずは上記の映像をご覧いただきたい。20秒くらいまでは従来のようにアナログカメラの画質が悪い映像となっているが、それ以降は、HD-TVIのキレイな映像になっている。
しかも、ネットワークカメラのように映像の遅延もない。そして、何より格安だ。
例えば、WEB通販では4台のカメラとレコーダーでわずか48,000円となっている。ほとんどネットワークカメラ1台分の価格と同じ金額感だ。・・・あまりにも安すぎる。
同軸ケーブルを利用したカメラの場合、ネットワークカメラとは異なり、スマートフォンなどから閲覧できないと思われるかもしれないが、実は必ずしもそうではない。レコーダーがネットワーク対応しているモデルもあるのだ。カメラ本体には直接、ネットワーク接続できないものの、レコーダーがネットワーク対応となっていれば、スマートフォンから閲覧することも可能だ。
ただし、システムの拡張性という点ではネットワークカメラの方が望ましい。また、暗い場所などでは、安価なカメラでは適切に撮影できないケースも多いので、あくまでもコスト重視とお考えいただきたい。
ちなみに、この同軸ケーブルを利用したカメラにもいくつかの種類がある。AHDやHD-TVI、HD-SDIなど、開発メーカーによって多くの規格があるのだ。筆者も同軸ケーブルを利用したカメラについては十分な知識を持っているわけではないが、参考として紹介しておく。
規格の違いと特徴
<ネットワークカメラ>
*利用するケーブル LANケーブルで最長100m
*画素数は4K対応のモデルも存在する。
*映像の遅延が発生する。
<従来のアナログカメラ>
*利用するケーブル 3C-2V(最長300m)、5C-2V(最長500m)
*画素数は30万画素程度となっており、市場が衰退傾向にある。
*映像の遅延も原則発生しない。
<AHD>
*利用するケーブル 3C-2V(最長300m)、5C-2V(最長500m)
*画素数は1~300万画素レベルのものもある。
*映像の遅延も原則発生しない。
<HD-TVI>
*利用するケーブル 3C-2V(最長300m)、5C-2V(最長500m)
*画素数は2~500万画素レベルのものもある。
*映像の遅延も原則発生しない。
<HD-CVI>
*利用するケーブル 3C-2V(最長300m)、5C-2V(最長500m)
*画素数は400万画素レベルのものもある。
*映像の遅延も原則発生しない。
<HD-SDI>
*利用するケーブル 5C-FB(最長100m)
*画素数は200万画素レベルのものもある。
*映像の遅延も原則発生しない。
<EX-SDI>
*利用するケーブル 5C-FB(最長200m)
*画素数は200万画素レベルのものもある。
*若干の映像の遅延が起こる場合もある。
まとめ
*アナログカメラは画質が悪いといわれていたが、AHDやHD-TVIなど高画質な新規格が生まれている。
*ネットワーク対応しているレコーダーであれば、外出先からスマートフォンで閲覧することも可能。
*コストパフォーマンスが高く、原則として映像の遅延もない。