サーマルカメラとは?
ネットワークカメラの中には『サーマルカメラ』と呼ばれる機種がある。サーマルカメラとは、ざっくりと説明すると遠赤外線の反射量を可視化することで撮影することができるカメラだ。
サーマルカメラの最大のメリットが『真っ暗な状態』や『煙が上がっている状態』でも撮影ができるということである。また、デメリットとして『<被写体が何か?>を識別することはできない』という特徴がある。
例えば、『ヒトがいる』ということは確認できたとしても、『それが誰か?どのような服装をしているのか?』については、情報として得ることができないのだ。
まずは、映像をご覧いただきたい。
左側の映像が通常の可視光のネットワークカメラの映像である。一方で右側の映像がサーマルカメラの映像だ。
煙が舞い上がっているような環境においては、可視光の通常のネットワークカメラでは全く撮影することはできない。一方でサーマルカメラのであれば、ヒトがどこにいるのか確認することが可能だ。
しかしながら、その撮影した被写体が『誰であるのか?』識別することはできない。
赤外線を投射するカメラとの違い
『赤外線を投射できる一般的なネットワークカメラ』と『サーマルカメラ』の違いがよくわからない方も多いかと思う。前者の赤外線を投射して撮影するカメラは、カメラから近赤外線を投射している。ヒトの目には見えないものの、LEDの赤外線ライトを投射していると考えればよい。撮影できるのはあくまでも赤外線のライトが届いている範囲までだ。
一方で、後者のサーマルカメラの場合、カメラ本体からライトを投射しているわけではない。物体から放出される遠赤外線の反射を可視化することで撮影をしているのだ。
サーマルカメラの主な役割
サーマルカメラの主な使い方は“侵入検知システム”などとの連動だ。真っ暗な環境でも撮影することができることから、外周監視など、物体の検知に活用することができる。
アクシスコミュニケーションズの場合、ペリメーターディフェンダーと呼ばれる外周監視システムをリリースしており、その対応機種として、サーマルカメラが存在している。
Intelligent perimeter surveillance - AXIS Perimeter Defender
敷地内(指定したエリア)に車両やヒトが侵入した場合に、検知することができるのだ。機種(焦点距離が長いモデル)については、200メートル以上離れた場所のヒトや車両を検知することもできるケースもある。
まとめ
- サーマルカメラは、真っ暗な環境でも撮影が可能である。
- ただし、被写体が何かを識別することはできない。
- 侵入検知システムなど、物体の検知を目的としたシステムで有効である。