ネットワークカメラを工場出荷時に戻す
今回の記事では、ネットワークカメラをリセットし、工場出荷時に戻す方法について説明する。
ネットワークカメラのデモ機などをメーカーから借りた際に、前の利用者の設定情報などが残っていた場合、カメラを初期化する必要がある。また、カメラのIPアドレスやパスワードが分からなくなったり、何らかの不具合が発生した場合、状況によってはカメラの初期化が必要となる。
カメラをリセット(初期化)する方法は大きく3つの方法がある。
- ブラウザから初期化する
- カメラ本体のリセットボタンから初期化する
- コマンドで初期化する
それぞれの方法について説明しよう。今回は、アクシスコミュニケーションズのAXIS M1065-Lを例に説明していきたい。
1.ブラウザからネットワークカメラをリセット(初期化)する方法
まず最初に、ブラウザからネットワークカメラをリセット(初期化)する方法である。まず、アドレスバーにカメラのIPアドレスを入力し、ログインする。
『システム』→『メンテナンス』ボタンを押下する。
設定値を初期値に戻したい場合は、『リストア』または『デフォルト』を押下する。アクシス製カメラのリセット方法については主に3つの種類がある。
- 再起動 ・・・ 再起動を行うだけなので、設定値は初期化されない
- リストア ・・・ 工場出荷時に戻るが、IPアドレスはそのままにする
- デフォルト ・・・ すべてを工場出荷時に戻す
※ただし、ファームウェアのバージョンについては、工場出荷時に戻るわけではないため、注意してほしい。
例えば、リストアする場合、確認画面が表示されるため『リストア』ボタンを押下すると、IPアドレスは変更されずに、それ以外の設定値が初期化される。
もし、『デフォルト』を選択した場合は、IPアドレスも含めて工場出荷時に戻る。アクシスコミュニケーションズ製のカメラはDHCP環境がない場合、初期値の『192.168.0.90』に戻る。
2.カメラ本体のリセットボタンから初期化する
続いて、カメラの【物理ボタン】で初期化する方法である。ネットワークカメラには、どのメーカーであっても大抵の場合、本体を初期化するための『リセットボタン』がある。これを押下しながら電源を入れると、IPアドレスやパスワードを含めて、すべての設定値が初期化される。
※なお、作業のコツとしては、リセットボタンを長時間押し続けることである。カメラの電源を入れてから、30秒くらいは押下し続ける必要がある。リセット(初期化)がうまくいかない場合、ほとんどのケースは押下する時間が短いケースが多いため注意して欲しい。
※また、PoE給電のモデルの場合、リセットボタンを押下し続けながら、LANケーブルを結線する必要がある。カメラが起動し終わった状態でリセットボタンを押下し続けても、初期化できないので気を付けてほしい。
なお、他社のネットワークカメラについても、ドーム型カメラの場合、リセットボタンはドームの内部に配置されているケースが多い。
※以下の写真はVIVOTEKのFD8166Aのリセットボタンである。
3.コマンドで初期化する
最後にコマンドで初期化する方法である。ネットワークカメラは、コマンドを投げることで動作することができる。アクシスコミュニケーションズのカメラの場合、VAPIXという言語を利用して、カメラを初期化することが可能だ。
<工場出荷時に戻す場合>※IPアドレスはそのまま
http:///IPアドレス/axis-cgi/factorydefault.cgi
<工場出荷時に戻す場合>※IPアドレスを含めて初期化する
http://IPアドレス/axis-cgi/hardfactorydefault.cgi
※なお、上記のコマンドは以下URLを参照し、記載したものである。
まとめ
- ネットワークカメラは、設定情報をクリアしたい場合、カメラをリセット(初期化)する必要がある。
- リセット(初期化)の方法は、ブラウザで実行する方法のほかにも、物理ボタンを押下する方法もある。
- リセットボタン(物理ボタン)で初期化する場合、電源起動時に30秒程度、リセットボタンを押下し続けなければならない。
- コマンドを利用して工場出荷時に初期化する方法もある。