カメラへの給電方法
ネットワークカメラに電源を供給する方法としては、大きく2つの方法がある。
①AC電源(またはDC電源)をカメラに供給する。
②PoE HUBからLANケーブルでカメラに電源を供給する。
①の場合は、非常に単純で、カメラ用の電源アダプターをコンセントなどに差し込むことで電源が得られるものである。カメラに結線したLANケーブルには、データだけが流れる。
②の場合は、LANケーブルからデータだけでなく、カメラ用の電源を供給する仕組みである。例えば、下記のような製品がある。
従来は<電源>と<データ送信用のLANケーブル>の2つの配線作業が必要であったが、今日ではPoE HUBによる電源供給が一般的となり、LANケーブルの配線のみで利用が可能となった。
PoEとPoE+の違いとは?
PoE HUBは、その電源供給能力によって、いくつかの規格に分かれる。現在(18年1月)で、ユーザーが認識しておくべきは下記の2つだ。
※実際には、出力電源によってさらに細かくクラス分けされているがここでは割愛する。
<PoE 15.4W>
*現在の一般的なPoE HUBの電源供給は、1ポートあたり最大15.4Wの出力が可能である。カメラのカタログを見ると、必要な電源について●●Wとの記載があると思うが、これが15.4Wを超えていないモデルについて利用が可能である。
<PoE+ 30W>
*1ポートあたり最大30Wの出力が可能である。カメラやネットワーク機器によっては、クラス3(15.4W)では動作することができず、PoE+(30W)を必要とするモデルもある。
一例を紹介しよう。下記はキヤノン社のVB-M741LEという機種であるが、通常のPoE HUBを利用した場合、仕様上の対応温度は<-10℃ ~ +55℃>となっているが、PoE+HUBを利用すると<-30℃ ~ +55℃>まで対応が可能だ。
従来は、ヒーターなどを設置し、ヒーターに電源を供給する必要があったが、この配線作業が不要となる。寒冷地に最適だ。
また、パナソニック社のWV-S6530NJという機種も電源供給がPoE+HUBの利用を推奨している。
機種によって、通常のPoE HUBでよい場合と、PoE+ HUBが必要な場合があるため
機種選定の際は十分に注意したい。