ネットワークカメラ推進会

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PCの品薄が続いている

PCが納品できない

 

 昨年(18年)頃より、ネットワークカメラベンダーを苦しめている問題の1つに、PCの品薄がある。ネットワークカメラシステムは、カメラ本体だけでなく、レコーダー、HUB、PCなど様々な製品を組み合わせて構成を組む。

 それゆえに、納品時の在庫調整は非常に難しいところがある。ケーブル1本でも欠品が発生すると、システム全体の納品時期に影響が出てしまうのだ。その中でも最も重要な機器の1つがPCである。

 

 ネットワークカメラの場合、ハイビジョン品質の映像を複数分割して表示するため、必然的にPCのグラフィック性能が重要になる。廉価モデルではスペックが不足する可能性があり、性能の高いCPUやグラフィックボードが必要となる。PCのカスタマイズが入る場合も多い。

 

 しかしながら、ここ2年くらいは、PCが思うように手配できない問題が発生しているのだ。主な原因について説明しよう。

 

 

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Windows7 サポート終了

 

 まず、直近の課題として考えられることが、Windows7のサポート終了である。Windows7のサポート終了期限は2020年1月14日までとなっており、いよいよ猶予がなくなってきた。

 WindowsXPのサポート終了の際も、PCの需要が急激に拡大し、欲しいスペックのPCがなかなか手に入らない状況となっていたが、これと同様の状況となっている。

 

 さらに、やっかいなのが消費増税に対する駆け込み需要である。WindowsXPのサポートが終了する2014年の頃とほぼ同じだ。2014年と言えば、ちょうと消費税が5%から8%に上がった年である。これと、WindowsXPのサポート終了が重なってしまい、顧客およびベンダーともに大混乱に陥った。昨日まで仕入先に50本程度あったはずの在庫が、翌朝発注しようとすると、まったく在庫がない状況となっていたり、発注してもなかなか納期が見えない状況が相次いだのだ。

 

 まさに、2019年は2014年を再現しているかのようである。いや、PC品薄の影響は2014年以上のインパクトがあるかもしれない。それが、CPUの不足である。

 

CPUの不足

 

 他のサイトでも指摘されているが、18年下旬よりインテル社のCPU不足が深刻化している。原因については、他のサイトでも指摘されているので割愛するが、ざっくりと説明すると、ゲーム用途などのPCの需要が急激に伸びており、供給不足となっているのだ。

 

 また、製造プロセスのロードマップの遅れも指摘されている。現在のインテル社のクライアント向けCPUは、14nmプロセスが主流となっている。今後は、10nmプロセスに移行するものと考えられるが、この量産化計画がなかなか進んでいないのだ。

 

 このように、ただでさえ、Window7のサポート終了や消費増設による駆け込み需要でPCの品薄が想定される中で、最も重要なパーツであるCPUが不足しているのだ。

 

 需要が爆発的に伸びている一方で、供給側にも問題が発生している。PCを導入するユーザーおよびベンダーにとっても苦しい状況が続いている。

 

 

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モデルチェンジの影響

 

 さらに、追い打ちをかけるような事態が発生している。それが、CPUやGPUのモデルチェンジである。一般の事務用途であれば、CPUの型番が変更となったくらいでは、それほど影響はないだろう。

 

 しかしながら、ネットワークカメラの場合、そのような単純なものではない。各録画ソフトウェアは、リリースされているCPUやGPUに対して、最適化を行っているケースがある。

 例えば、ネットワークカメラの映像を表示させる際に、CPUの内臓グラフィックスを利用するのではなく、GPUからリソースを利用するように設計していたりする。

 モデルチェンジが発生した場合、新しいモデルでも適切に動作できるかどうか検証を行う必要がある。また、必要に応じてソフトウェアの改修が必要となる。

 

 インテルのCPUとNVIDIAのGPUが品薄だからといって、すぐにAMDのCPUやGPUには置き換えができないのだ。

 そのため、品薄のリスクがあると分かっていても、インテルやNVIDIAを選定せざるを得ない状況となるケースも存在する。

 

ユーザー・ベンダーが理解しておくこと

 

 このように、現在、PCの品薄は深刻化している。その状況を、ユーザーおよびネットワークカメラベンダーが理解しておくことが非常に重要である。

 

 例えば、個人が車を購入する場合、人気の車種であれば、数か月から1年くらい納車まで期間がかかることがあるだろう。個人の場合だと、これほど問題にはならないかもしれないが、企業の場合は、年度毎の予算により投資計画が決められており、期日内に納品を完了されることが非常に重要となってくる。

 

 納期を守るためには、時には、調達の仕様内容を変更したり、代替品でカバーするなどの対応が必要となってくる。これは、ベンダーだけの努力ではなく、ユーザー側も協力しなければ実現できない解決策である。

 

 なお、これは、一時的なものではない。大量生産・大量消費の時代は終息し、現在は、需要に合わせて最低限の在庫を保有することが、一般的なセオリーとなっている。また、顧客ニーズも多様化しており、製品自体が多品目化している。在庫管理や調達におけるリードタイムの調整は、より一層難しくなるだろう。 

 そのことをユーザーとベンダーの双方が理解をしうえで、システムの調達を進めることが筆者は重要だと考えている。