近年、シェアを拡大するAMD
昨年は、Windows7のサポート終了やIntel製CPUの供給不足などの影響もあり、PCが品薄となる期間が長かった。 特に、Intel製CPUは、供給不足だけでなく、脆弱性の問題もあり、厳しい状況となっている。
一方で、シェアを拡大しているのが、AMD社のCPUである。Ryzenシリーズのリリース以降、勢いを取り戻しつつあったが、2019年は第三世代となる7nmプロセスを採用したCPUをリリースし、さらに勢いを増した。
CPUの性能は、処理速度だけでなく、省電力など様々な視点から評価する必要があるが、ざっくりというと、近年、AMD社はIntel製よりも安価で、コストパフォーマンスが高いCPUをリリースしている。
AMD社がさらに勢いを増してシェアを拡大するのか、それともIntel社が逆襲に打って出るのか今後の動向が注目される。
ネットワークカメラ市場ではIntel製が主流である
このようにシェアを拡大させつつあるAMD社のCPUであるが、ネットワークカメラの市場においては、まだまだIntel製のCPUが主流となっている。レコーダーメーカーの推奨スペックを見てみよう。
ROD
OS:Windows 7 Pro /8.1 Pro /10 Pro
CPU:Intel Core i7 2.8GHz以上
メモリ:4~8GB程度
ビデオカード:NVIDIA GeForce GTX1660Ti 相当
ネットワークアダプタ:1000Mbps程度
グラフィック解像度:1920×1080ピクセル以上
ブラウザ:Internet Explorer 11
パナソニック
対応OS
Microsoft Windows 7 日本語版
Microsoft Windows 8.1 日本語版
Microsoft Windows 10 日本語版
ウェブブラウザー
Internet Explorer 11 32ビット 日本語版
CPU
Intel Core i7-860以上
メモリー
4 GB以上
画面
1024×768ピクセル以上の解像度、True color 24ビット以上
ネットワーク機能
10BASE-T、100BASE-TX、または1000BASE-T 1ポート
サウンド機能
サウンドカード(音声機能を使用する場合)
その他
CD-ROMドライブ(各種取扱説明書(PDFファイル)を閲覧するため)
DirectX 9.0c以上
Adobe Reader(各種取扱説明書(PDFファイル)を閲覧するため)
上記の通り、CPUはIntel製品が推奨となっている。他のレコーダーメーカーについても、ほとんどが推奨スペックとしては、Intel製のCPUが記載されている。
やはり、AMD社のCPUのシェアが拡大しつつあるとはいえ、安定性や信頼性において、現状ではIntel製品の方が望ましいと考えられる。さらに、ビューワーアプリケーションがIntel製CPUや内蔵グラフィックスに最適化されているケースもある。
今後、AMD社のシェアがさらに拡大し、企業向けのPCにおいてもAMD製が採用されるようになれば、レコーダーメーカーの対応方針も変わってくる可能性はあるが、しばらくはIntel製CPUを搭載したPCを選定した方が無難であろう。
AMD製CPUで検証予定
上述のとおり、しばらくは、ネットワークカメラシステムを導入するユーザーおよびベンダーは、Intel製CPUを搭載したPCを選定することが望ましいと考えられる。
しかしながら、AMD製のCPUを搭載したPCでビューワーアプリケーションを起動した場合、実際にどの程度、安定して表示できるのかは興味がある。現在、AMDのCPUを搭載したPCを手配予定であるため、到着次第、検証作業を進めていきたい。