LANケーブルの弱点
ネットワークカメラの弱点の1つとしてLANケーブルの長さが100mまでという制限がある。
アナログカメラの場合、同軸ケーブルを利用して配線を行うが、5C2Vで500m・3C2Vで300m程度の配線も可能であるため、実はLANケーブルの方が配線できる距離は短い。
大きな工場や施設の場合、配線距離が長くなると途中でHUBを設置する必要がある。
しかし、実際の設置現場においては途中に電源がなく、HUBを設置することが困難な場合も多い。
光ケーブルの配線が理想ではあるが、なかなかコストや技術上の問題で光の配線が難しいこともあるだろう。
そこで活用するのが、PoE延長装置(PoEエクステンダー)や同軸ケーブルへの変換装置である。
このような装置を利用すると、100m以上の配線が可能となる。イメージとしては下記の図だ。
いくつか商品を紹介しておく。
具体的な製品の例
①LANケーブル延長装置
②TLCモデム(LANケーブルから同軸ケーブルへの変換)
同軸ケーブルに変換ができるタイプの装置は、アナログカメラからネットワークカメラへの入れ替えを行う際に既存で配線されている同軸ケーブルを再利用する場合にも活用可能だ。
※ただし、既存の同軸ケーブルが痛んでいる場合は適切に通信ができないリスクがあるため、事前の検証が望ましい。
なお、各メーカーの製品ごとに、カメラに供給できる電源の能力が異なるため、選定時は仕様の確認が必要となる。
一般的なネットワーク構築でLANケーブルが100mを超える場合、メディアコンバーターやスイッチのSFPポートを利用して光ケーブルを配線するケースも多いかと思うが、上記のような延長装置があることも参考にして欲しい。