ネットワークカメラ推進会

ご意見・ご相談はtwitter(@NetworkcameraPC )へお願いします。記載している機器の仕様および操作手順には誤りがある場合がございます。必ずメーカー公式サイトをご確認願います。

解像度に囚われるな!

そもそも解像度(画素数)とは?

 ネットワークカメラには機種によって、配信できる映像サイズが異なる。例えば、以前はVGA(640×480)程度が一般的であったが、近年ではHD(1280×720)やフルHD(1920×1080)が一般的となっている。

 

 また、さらに解像度が高いモデルもリリースされるようになった。筆者の保有するDS-2CD2145FWD-Iも、最大解像度は2688×1520となっており、4メガピクセルの映像配信が可能となっている。

 

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 解像度というのは、ざっくりと説明すると画像における「密度」を表したものである。1つの画像は、実は1つ1つの細かい粒々(ドット)が並んで表現される。そのため、この粒々が細かければ細かいほど、より精細な映像が得られるというわけだ。

 

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 筆者の絵心が致命的にないので伝わりにくいかと思うが、解像度が高いほど、より細かい粒々で表現することができるだめ、より高精細な映像が得られるとイメージして欲しい。

 しかしながら、実は、解像度が高いからと言って必ずしも、キレイな映像が得られるわけではないのである。

 

解像度は高い良いとは言い切れない!

 解像度が高いと高精細な映像が得られることは間違いないのであるが、実はデメリットも存在している。主なデメリットは以下の2つだ。

 

暗い場所の撮影に弱くなる

 これは、以前、別の記事でも記載した内容であるが、解像度を高くするということは、1粒1粒のイメージセンサーに当たる光の量が少なくなるということである。

 

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  解像度が低い場合、イメージセンサーの1マス1マスの受光面積が広く、黄色い丸が大きいことが分かる。つまり、暗い場所でもより光を取り込むことができるということである。

 一方で解像度が高い場合、イメージセンサーの1マス1マスの受光面積は相対的に狭くなり、黄色い丸が小さくなっていることが分かる。つまり、光を取り込む量が少なくなってしまい、暗い場所の撮影に弱くなるということである。よって、解像度を高くする場合、より大きなセンサーが必要になる。

 

 ※なお、上記では説明を簡素化するために省略しているが、実際には、センサー上でデータを送信したり、処理する領域が必要となる。高解像度のセンサーほど、この領域が広くなってしまうため、受光領域が狭くなってしまうのである。

録画容量が肥大化する

 

 高い解像度のデメリットの2つ目が、「録画容量が大きくなってしまう」ということである。先ほどの1粒1粒のドットの数が多くなるということは、それだけ処理しなければならない情報量も増えるということである。そのため、解像度の高い映像は一般的に重たくなる傾向がある。

 

  一眼レフカメラのように、1枚の写真を撮影するのであれば、多少、データ容量が大きくなってもそれほど影響は少ないだろう。しかしながら、ネットワークカメラシステムの場合、24時間録画を行うため、映像はできるだけ小さくして保存することが望ましい。映像の容量が小さいほど、より長く録画ができる。一方、映像の容量が大きい場合、より多くのHDDが必要となり、コストが膨らむ原因となってしまう。

 

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 例えば、上記のサンプル画像の場合、640×480の映像サイズで撮影した場合、容量は16KBとなっているが、1920×1080の映像サイズで撮影した場合、容量は129.1KBとなっている。1枚の画像ではそれほど影響はないが、動画データで長時間録画すると、データ容量の差がコストに大きく響く要因となる。

 

 筆者も、高解像度のカメラを否定するつもりはなく、設置場所や利用用途によっては高解像度のカメラは非常に有効である。また、近年では、映像の圧縮技術も進化してきており、さらに高解像度のカメラが普及していく可能性はある。

 しかし、理論上はメリットだけではなく、デメリットも存在していることをご理解いただきたい。

 

なぜ解像度が重要視されてしまうのか?

 以上のように、高解像度の映像はメリットだけではなく、デメリットもあるということをご理解いただけただろうか?

 しかしながら、どういうわけか一般のユーザーにおいては「高解像度=性能が高い」という評価になっており、それ以外のスペックについては軽視されがちである。これはあくまでも筆者の想像であるが、その理由としては、以下があるのではないかと考えている。

 

①カタログの項目が分かりにくい

 第一に、ネットワークカメラのカタログや仕様書に記載されている言葉の意味が非常に分かりにくいという点である。センサーサイズや最低被写体照度、焦点距離、水平画角・垂直画角、パンチルド範囲、赤外線投射距離、映像圧縮形式、消費電力(PoEのクラス)、防水等級…などなど日常生活ではまず聞かないような項目が羅列されている。

 よって、上記のようなよく分からない項目よりも直感的に分かりやすい「解像度」や「画素数」が重要視されてしまうのではないかと考えられる。

 

②テレビやデジタルカメラの進化の過程を経験している

 第二に、テレビやデジタルカメラの進化の過程を目の当たりしてきたからであろう。従来のブラウン管テレビでは、低解像度のモデルが多かった。これが液晶テレビに変わり、フルハイビジョンの映像でよりキレイな映像を得られるようになった。さらに近年では4K対応のテレビやモニタも普及しつつある。

 よって、「高解像度=キレイ」という意識が植え付けられ、それ以外のスペックについてはあまり重要視されていないのではないかと想定される。

 

まとめとして

 今後も、ネットワークカメラは進化を続け、より高解像度のカメラが普及する可能性は十分にある。しかしながら、解像度が高ければ高いほどよいというわけではなく、全体のバランスが重要である。

 特に、解像度と低照度環境における撮影能力は、原則としてトレードオフの関係にあるということをご理解頂ければ幸いだ。