ネットワークカメラは振動に弱い
ネットワークカメラ(というよりもすべての電子デバイスに言えることであるが)の弱点として『連続した振動には弱い』ということがある。つまり、屋外にカメラを設置し、強風などでカメラが揺れている場合、カメラが故障してしまったり、画角が変わってしまうリスクがあるのだ。
特に首振りやズームができるPTZカメラは、振動で画角が変わってしまうことがあるため注意が必要だ。例えば、カメラをポールに設置していた場合、カメラとポールをしっかりと固定させていても、ポール自身の強度がなく、カメラも揺れてしまうことがある。
暫定的な解決策として(プリセット巡回機能)
このようにPTZカメラで画角が振動で変わってしまった場合の暫定的な解決策として『プリセット巡回機能』を活用する方法があるため紹介したい。
プリセット巡回機能とは、<地点1>→<地点2>→<地点3>→<地点4>と、設定した画角(プリセットポジション)を自動的に巡回する機能である。本来、この機能の目的は複数の場所を巡回してモニタリングすることである。
しかしながら、振動でカメラの画角が変わってしまう場合もこの機能を利用して、応急処置を行うことができる。
例えば、<地点1>→<地点1>のように、同じ場所に巡回の設定を入れることで解決することができる。振動などで異なる場所を向いてしまった場合も、プリセット巡回機能により、<地点1>へ強制的に戻すことができるのだ。
あくまでも暫定的な対策であるが、『強制的に特定の画角に戻したい時』などに活用できるため、設定方法について説明しておく。
NVR-204 MkⅡのプリセット巡回機能の設定
システムケイ社のNVR-204 MkⅡを例に設定方法について説明したい。
まず、『設定』→『プリセットボジション』の順番に押下する。
指定の地点(画角)で画面左下の『追加』ボタンを押下し、『Preset_1』を追加する。また、さらに同じ地点(画角)で再度『追加』ボタンを押下し、『Preset_2』を追加する。
さらに、ホームポジションとして『Preset_1』をプルダウンメニューで選択する。
設定後は『次』を押下する。
『Preset_1』から『Preset_2』への巡回設定を行い、『適用』ボタンを押下する。
※『Preset_1』と『Preset_2』は同じ地点(画角)であることから、同じ地点から同じ地点へ巡回設定を入れていることとなる。
※以下の画像では、表示時間を20秒で設定しているため、首振り操作をしている場合も20秒経過すると、強制的に『Preset_1』『Preset_2』へ移動してしまう。首振りの時間を長くしたい場合は、最大値の60秒に設定しておくと良いだろう。
『ライブ』画面右上の『▼』ボタンを押下する。
プリセットポジションのシーケンスで『開始』ボタンを押下する。
※これで『Preset_1』から『Preset_2』へ(同じ地点から同じ地点)へ巡回されることになる。仮に、振動で画角が変わってしまった場合も、強制的に元の位置に戻すことが可能だ。
あくまでも暫定策ではあるものの、強制的に元の画角に戻すことができる。また、誤操作などで画角を変えたまま録画してしまうリスクも軽減できる。
リスクを抑えたいユーザーは試してみると良いだろう。