入場制限の重要性
昨今の新型コロナウィルスの影響により、店舗や施設において入場者数の制限を行うことが非常に重要視されるようになっている。例えば、大手の衣料品店では店舗に入ることができる顧客数を制限している。
また、イベントなどにおいても、ヒトの密集を避けるために、建屋内に入る人数を制限しているケースもある。
入場制限の方法については、様々だ。店舗の入口にスタッフを配置し、人力で入場を制限しているケースもある。また、人感センサーなどを入口に設置して、入場者数を把握しているケースもある。
今回は、ネットワークカメラの人数カウント機能を利用した入場制限の方法について説明したい。HikvisionのHCPを利用すると、AIカメラ(または人数カウントカメラ)とHCPをインストールしたPCだけで入場制限を行うことが可能だ。
AIカメラによる人数カウントの方法
Hikvisionのカメラで人数カウントを行う方法は大きく2パターンある。1つが人数カウント専用のカメラを利用することだ。2眼カメラを店舗の天井に設置し、ヒトを立体的にモデリングすることで精度の高い人数カウントが可能となる。
もう1つがAIカメラの顔検知機能を利用した人数カウントだ。今回はAIカメラを利用する。
まず、カメラ側で顔による人数カウントを設定しておく必要がある。設定方法については以下のURLを参考にして欲しい。
※重要な注意点として※
本記事では、Hik Central Professionalのインストールや設定方法を記載しているが、筆者もまだ勉強中のため、間違ったことを記載している可能性がある。正確な設定手順については、メーカーのマニュアルを参照して欲しい。
HCPによる人数制限の表示方法
AIカメラによる設定完了後、Hik Central Professionalで入場可能人数を表示させる。
『VMS Platformウェブショートカット』を起動し、『すべてのモジュール』→『インテリジェント分析グループ設定』を押下する。
『人数カウントグループ』より『+追加』ボタンを押下する。
人数カウントグループとして任意の名前を入力する。『+追加』ボタンを押下し、人数カウントカメラを追加する。
※ここではカメラが1台しか追加されていないが、複数台のカメラがあった場合、複数台のカメラの合計で入場制限を行うことができる。
※また上記では、定期的に消去する時間が『00:00』となっている。これは0時になると、人数がリセットするということだ。
最大人数に、施設内に入ってもよい人数(例えば、10人)などを入力する。入力後は『保存』ボタンを押下する。
続いて『VMS Platformクライアント』を起動する。起動後は『監視中』を押下する。
ドラック&ドロップで人数カウントカメラを画面内に表示させる。
続いて、『リアルタイム人数カウント』ボタンを押下し、先ほど作成した『店舗の人数カウント』という人数カウントグループを表示させる。
実際にヒトが入場すると、『滞留した人:1 入場可能人数:0』となり、アイコンが赤色に変化した。この場合、店舗に入場することができない。
ヒトが退場すると、『滞留した人:0 入場可能人数:1』となり、アイコンが緑色に変化した。この場合、店舗に入場することができる。
カメラの映像を非表示にして、人数カウント画面のみ大きく表示させることもできる。大型モニタやデジタルサイネージなどを利用すると、店舗で活用することができるだろう。
もし、特定のカメラの人数をリセットしたい場合は、カメラにログインし、『人数カウント』の『オーバーレイとキャプチャ』を選択する。
毎日のリセット時刻のボタンの右側にある『手動リセット』ボタンを押下する。
まとめとして
最近では、新型コロナウィルスの感染人数もやや落ち着いてきた印象はある。しかし、今後も店舗やイベント開催時はヒトの密集を避けるために、このような人数制限は必要になるものと想定される。
人力による人数カウントをしている店舗においては、ネットワークカメラを利用して自動的に人数をカウントするシステムを活用しては、いかがだろうか。