カタログにDORIの表記がされるようになった
近年、ネットワークカメラのカタログにDORIの表記がされるケースが増えている。例えば、『2.8 mm: D: 64 m, O: 25 m, R: 12 m, I: 6 m』などである。
初めてご覧いただいた方であれば、DORIが何の距離であるのか分からないかもしれない。
今回は、DORIについて、ざっくりと説明していく。
DORIとは何か?
DORIとは、以下の頭文字である。
『D』検出
Detection (25PPM)
人または車両が存在するかどうかを確実かつ簡単に判断できるレベル
『O』観察
Observation (62PPM)
事件を取り巻く活動のビューを可能にしながら、特徴的な衣服などの個人の特徴的な詳細を確認できるレベル
『R』認識
Recognition (125PPM)
表示された個人が以前に見られた人と同じであるかどうかを高い確実性で決定できるレベル
『I』識別
Identify (250PPM )
合理的な疑いを超えて個人の識別が可能なレベル
PPMとは、ピクセル・パー・メーターのことである。つまり『映像上の1mの距離について、何ピクセルで表現できているのか?』とうことだ。
動画(または静止画)は、小さい粒々がいくつも集まって被写体を表現してる。この粒々が多ければ多いほど、より鮮明に映像を確認することができる。また逆に、ピクセル数が不足していると、何を撮影しているのか分からないのだ。
DORIの数字を参考にすると、カメラを選定する際に『どの程度の焦点距離を保有したレンズが必要か? また、どの程度の解像度を保有するカメラが必要か?』を推測することができる。
例えば、ヒトの認識を行いたい場合、少なくとも、Recognition (125PPM)以上の解像度が必要となるのだ。
(※なお、顔認証システムやナンバープレート認証については、各ソフトウェアベンダー毎に基準があるので、各ベンダーに確認して欲しい。)
『2.8 mm: D: 64 m, O: 25 m, R: 12 m, I: 6 m』の場合、カメラには2.8mmの焦点距離のレンズが装着されており、約12mまでは、個人を認識できるということである。逆に言うと、12mを超えると、個人を認識することが難しくなる可能性があるということだ。
あくまでも、DORIは1つの目安に過ぎず、実際には照度や設置環境など、様々な要因によって適切な映像が得られるのかどうかは変わってくる。DORIは1つの目安に過ぎない。
しかし、IEC EN62676-4:2015国際標準によって、DORIが決められたことで、カメラの選定は非常にし易くなったと言えるだろう。
詳しくは、以下のURLが非常に参考になるのでご一読いただきたい。
※また、顔の識別に関する解像度については、以前、筆者が記載した以下の記事もぜひ読んで頂きたい。