ネットワークカメラの防水対策
ネットワークカメラを屋外に設置する場合、防水対策が必要となる。
防水対策については様々な方法があるが、一般的には下記の2点である。
①屋内用のカメラを「ハウジング」と呼ばれる防水カバーに格納する
②カメラ本体が防水性能を有している
いずれの場合もカタログ(または仕様書)にIP●●という表記がされている。
これは防水・防塵性能を示す規格である。
例えば、IP66と表記されていた場合、粉塵が内部に侵入せず、
あらゆる方向からの噴流にたいしても有害な影響を受けないことを示す。
例えば、カメラの内部にパッキンがあり水の侵入を防ぐ場合や
乾燥剤が入っている場合もある。
防水対策に関する実験
実際に放水を行っても、カメラ内部への浸水は認められなかった。
しかし、防水対応のカメラであっても全く浸水が発生しないわけではない。
例えば、LANケーブルの結合部から水が入り込むようなケースである。
カメラ取付時は内部に水が浸水しないよう注意が必要となる。
(例えば、結合部を防水テープで巻きつけるなどの措置がある。)
また、防塵・防塵対応のカメラであっても、カバー部分が汚れてしまった場合や
蜘蛛の巣などによって、適切な映像が得られなくなるケースがあるため、拭き取りが必要となる。
防塵・防水対策の規格
スマートフォンなどもカタログでも防塵・防水の規格としてIP〇〇という表記が一般的に見られるようになった。
IP●●は、最初の●が固定物体に対する保護で、うしろの●が防水に関する水の侵入に対する保護となる。
<固定物体に対する保護>
IP0● テスト未確認
IP1● 直径50mm以上の固形物体(手など)が内部に侵入しない
IP2● 直径12mm以上の固形物体(指など)が内部に侵入しない
IP3● 直径2.5mm以上の工具先端や固形物体が内部に侵入しな
IP4● 直径1.0mm以上のワイヤーや固形物体が内部に侵入しない
IP5● 機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の
量の粉塵が内部に侵入しない
IP6● 粉塵の侵入が完全に防護されている
<水の侵入に対する保護>
IP●0 テスト未確認
IP●1 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない
IP●2 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない
IP●3 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない
IP●4 いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない
IP●5 いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない
IP●6 いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない
IP●7 規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない
IP●8 水面下での使用が可能
近年では、一般的に屋外用カメラについて、IP66対応のカメラが多く見られるようになっている。
ネットワークカメラを導入する場合は、防水対策がどのレベルまで必要であるか検討しておく必要がある。