レコーダーの分割画面とは?
レコーダーにはそれぞれカメラ複数台を同時表示するための画面分割機能が存在する。
例えば、4分割表示や9分割表示、12分割など、分割の数は各レコーダーにより異なる。
レコーダーやソフトウエアの種類によっては、フリーレイアウトで自由にカメラの画面構成を変更できるタイプのものもある。
ここで、注意が必要なのはカメラの表示台数を増やせば増やすほど、表示装置(レコーダーやPC)への負荷が大きくなるという点である。
例えば、32分割表示が可能なレコーダーがあったとする。また、レコーダーはHDMIケーブルでモニタに表示されていたとする。
カメラ1台あたりの設定値が2Mbpsであった場合、少なくともレコーダーの表示負荷は64Mbpsとなる。(計算式は、2Mbps×32台分 = 64Mbps)
さらに、録画も同時に行っていた場合、さらに録画分の32Mbpsの処理が必要なため、レコーダーが処理すべきデータ量は、理論上、96Mbpsとなる。
このように多くのカメラを同時にモニタに表示させた場合、レコーダーへの負荷が大きくなり、不具合の原因になる場合がある。例えば、レコーダーがハングアップ(フリーズ)するなど想定される。
特に、映像形式がJEPGの場合は表示の負荷が少ないが、H.264を利用した場合、表示するための負荷が大きくなり不具合が起きるリスクが高くなる。そのほか、全方位(360度)カメラや4K対応のカメラを利用している場合も負荷が高くなるため注意が必要だ。
このような分割画面における制限事項は、各メーカーのマニュアルに記載されていることもあるので、システム設計時および運用時は確認して欲しい。
実際、適切にシステム設計ができていなかったり、運用時に負荷が高い表示をしてしまってトラブルが起きるユーザーも多い。
シーケンシャル(巡回)表示
このようなトラブルが起きないようにするための工夫として「分割画面を切り替えて表示する方法」がある。各メーカーで名称は異なるが「シーケンシャル」や「シーケンス」、「オートスイッチ」などと呼ばれる。
例えば、最初の画面ではカメラNO1~NO9を表示し、数秒後にカメラNO10~NO18を表示するイメージである。
これにより、カメラの表示の負荷を下げることが可能だ。