AXISCameraStationイベント発生時に画面を切り替える
筆者は様々なネットワークカメラ用のレコーダーおよびVMSの設定や操作感を確認しているが、その中でも最も高い評価をしているアプリケーションの1つがアクシスカメラステーションである。海外製のアプリケーションであるにもかかわらず、日本人でも非常に直感的に操作・設定ができるほか、アクシス製カメラの能力を最大限、引き出すことができる。
今回は、その機能の1つである「ビュー」の機能について説明したい。特に今回は、動体検知やイベント検知時に、指定した画面(ビュー)を表示させる方法について解説しよう。動体検知時に、ポップアップや音声でのアラートを発生する方法については、以前の記事でも紹介したが、今回は画面レイアウト(ビュー)そのものを変更する。
ビューの作成
まずは、いくつかのビューを作成していこう。ビューとは簡単に説明すると、「画面上のカメラの分割数や配置」である。まず最初に、ライブ画面右下の「+」ボタンを押下し、「新しい分割ビュー」または「新しいビュー」を選択する。
今回は、「新しい分割ビュー」を選択した。
「新しい分割ビュー」の設定画面が開く。以下のサンプル画像のように、画面上にマス目上の目印が表示されるので、自由自在にカメラを配置することができる。また、4分割、5分割、9分割など、いろいろなテンプレートもあるので、テンプレートから好きな画面レイアウトを選ぶこともできる。
「保存」ボタンを押下すると、ライブ画面の下に分割画面が追加された。今回は「123」という名称で作成した。
イベント検知と連動させる
続いて、「何らかのイベント(動体検知)」があった場合に、自動的に先ほど作成した「123」の画面に切り替わるように設定を入れていく。
「録画とイベント」の中から「アクションルール」を押下する。「新しいルール」と記載された画面が表示されるので「追加」をクリックする。
トリガー(画面切り替えを行うきっかけ)としては、様々なものを選択ができるようになっているが、今回は先ほど設定した動体検知をトリガーとして設定する。
動体検知の設定画面が開くので、検出対象とするエリアや精度(除外とする物体のサイズ)などを調整する。
(※少し話が脱線するが、録画ソフトウェア側からカメラの動体検知の設定ができることも魅力の1つだと筆者は考えている。他のレコーダーなどの場合、カメラ側で動体検知の設定をした後に、レコーダー側でカメラの設定情報を読み込むような設定をしなければならないが、録画ソフト側からカメラの設定値をいろいろと変更できるのは、やはりメーカー純正ソフトウェアのメリットである)
今回は、トリガーが発生した際に、指定したビューを表示させたいため、アクションのところで「ライブビュー」を選択した。
先ほど作成した「123」というビュ―が前面に表示されるように設定する。
これで設定は完了である。アクションルール上に以下の通り、M1065-Lで動体検知があった際に、ビュー「123」を立ち上げることが定義されている。これで設定は完了である。
実際の動作を確認する
設定が完了したため、実際の画面の動作を確認する。以下のように、カメラで動体検知を検出すると、先ほど作成した「123」という画面に自動的に切り替えることができた。
※なお、注意点としては、指定した画面に切り替わるのに少しだけタイムラグが発生することである。カメラに接続する時間が多少かかるため、瞬時に画面の切り替えができるわけではない。
この機能の利用シーンとして
この機能を利用すると、外部の物理的な人感センサーなどと組み合わせてカメラを設置した場合に非常に便利である。例えば、以下のように広大な敷地内にカメラと防犯センサーを張り巡らされたような環境があったとする。
この際、<防犯センサーA>で何らかの物体を検知した場合に、その周辺のカメラを自動的に画面上に分割表示させるなどの運用が可能となる。
これ以外にも、<トリガー>と<アクション>を駆使すると、様々なビューの設計が可能となる。今回の記事はあくまでも一例であるが、参考にしていただければ幸いだ。
所感として
なお、今回の記事も、よくも悪くも実はマニュアルを全く見らずに設定を行っている。通常、ネットワークカメラシステムの設定を行う場合、マニュアルを熟読し、設定を進めることが必要であるが、アクシスカメラステーションについては、極めて直感的な操作で設定することができた。また、設定後のボタンも極めて少なく表示されいるため、知識のないユーザーでも利用が可能である。
中小規模のユーザー向けのソリューションとしては機能の充実さや完成度の高さは極めて高いように感じている。アクセス製のカメラを利用するユーザーについては、是非、利用して欲しいアプリケーションである。