屋外収納ボックスとは?
屋外におけるネットワークカメラの施工では、度々、鉄やアルミ、プラボックス製のボックスにネットワーク機器などを収納することがある。例えば下記のような製品だ。
今回はこのような機器収納ボックスの選定基準を考える。
屋外収納ボックスの選定基準
①ボックスの素材を考える
*屋外に収納するボックスは、鉄またはアルミなどの金属製キャビネットとプラスチック製のボックスの2種類に分かれる。まず、金属製のキャビネットが必要か、プラスチック製のボックスが必要か考える必要がある。電気・電子機器を収納する場合は、理想としては金属製キャビネットの設置が望ましい。強度面で金属製の方が優れている。プラスチックの場合、日光などの影
響を受けて劣化しやすいためだ。
ただし、錆への耐性についてはプラスチック製の方が錆びにくいとされる。また、金属製とプラスチック製では金額が大きく異なり、一般的にはプラスチック製の方が安価だ。そのため、中小規模のネットワークカメラ導入案件においてはプラスチック製を用いられることが多い。
②防水・防水性能を考える
*防水防塵の性能も選定時の重要な基準となる。各ボックスのカタログにはIP●●という数字が記入されている。これが防塵防水の性能を示している。さまざまな設置場所に対して、どこまでの性能が必要か下記URLに一覧が表示されているため確認して欲しい。
基本的に屋外に設置し、雨が降りかかる場合、IP44に対応しているボックスが必要だ。さらに、塵や埃など細かい粒子が巻き上がる可能性がある設置場所には、IP66に対応しているボックスが望ましい。
また、施工時にはボックスに穴をあけて通線するなど加工が必要となるが、浸水しないよう注意が必要だ。
③通気性(熱対策)を考える
*次に考慮すべきことが、ボックス内の通気性である。例えば、ボックス内にHUBを収納した場合、ボックス内に熱がこもってしまい故障の原因となるリスクがある。これを防ぐために、ファンを取り付けることが望ましい。またはファン付きのモデルを選定する必要がある。
*また、プラスチックボックスは日光により劣化する可能性があることを説明したが、屋根付のタイプもあり、日光による劣化を軽減できるものもある。
④ヒーターを設置する
*寒冷地や山間部においては、冬場に低温になることで収納した装置が故障してしまうことがある。これを防ぐためにはボックス内にヒーターを格納する。なお、この時の注意点としては、必ず温度センサーを合わせて設置することある。温度センサーがあれば、ボックス内の温度が下がった時だけヒーターを動作させることができる。
⑤収納する機器に応じてボックスのサイズを決める
*ボックスには【縦の長さ×横の長さ×深さ】で様々なサイズのものある。収納したい機材がきちんと収納できるように、サイズを確認しておく必要がある。ボックスには基板と呼ばれる機器を取り付ける台座のようなものがあるので、その大きさで計算する。
⑥鍵を付ける
*屋外用の収納ボックスには鍵付きのモデルがあるため、鍵による施錠を行い、イタズラなどを抑止する必要がある。
⑦取り付け場所に応じてオプション品(金具)を選定する
*このようなボックスは、壁面設置だけでなく、ポールなどへ取り付けする場合もある。ポール取り付け用の金具などはオプションとなっているケースもあるため、その場合は合わせて手配しておく必要がある。
ネットワークカメラシステムを導入するユーザーがさすがにボックスの種類までチェックするのことは難しいと思うが、例えば、見積書を取得した際に、A社とB社で施工の部材費が大きく異なる場合、このようなボックスや配管などの素材で差額があることもある。
単純な表面上の提示価格だけで判断するのではなく、設置環境に応じた部材が選定されているかどうかチェックすることが望ましい。