ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

屋内用のサーバーラックを選定する

サーバーラックとは?

前回は、屋外に収納ボックスを設置する場合の選定基準について説明したが、今回は屋内に機器を設置する場合の収納ラックについて説明する。

ネットワークカメラシステムが小規模の場合は、卓上にレコーダーやモニタなどを設置するケースが多いが、中~大規模になる場合は機器を収納するためのサーバーラックや収納ボックスを用意することが望ましい。

例えば、下記のような製品だ。

www.sanwa.co.jp

今回は、収納ラックの選定基準について説明する。

 

ラックの選定基準

 

①すべての機器を収納できるかどうか?

サーバーラックには大小さまざまなサイズのモデルが存在する。システムで選定した製品がすべて収納できるかどうか事前にチェックし、機器をすべて格納できるモデルを選定する必要がある。一般的には、このようなサーバーラックには「U(Unit)」と呼ばれる番号で収納できるサイズ(高さ)を表現する。各装置で何U分を使うのかを計算し、施工前にどの機器を何番のユニットに収納するのか決めておき、ラック構成図としてまとめておくことが望ましい。

また、時々、トラブルとなるのがラックの奥行である。収納する機器が奥行の長い装置の場合、ラック内に格納できないケースがあるので、奥行の長さも確認しておきたい。

※特に既存でアナログカメラシステムなどを導入している場合の入れ替え商談などでは、既存のラックの奥行が浅いケースが多いので注意したい。

 

②通気性を確保する

サーバーラックに各装置を格納した場合、ラック内に熱がこもり故障の原因となる場合がある。ラックにはオプションでファンを取り付けられるようになっているので、収納する機器の数や性質に応じてファンを複数取り付ける必要がある。

 

③棚板を用意する

 ネットワークカメラシステムで利用する機器のすべてが<ラックマウント>と呼ばれる金具が付属していればよいが、中にはラックマウント用の金具がない装置も存在している。その場合は、ラックに据置くための棚板を用意する必要がある。

※商談でラックを用いる場合は、ラックの選定よりもむしろシステムで利用する機器の選定の方が手間がかかる。PCなども通常のデスクトップPCではラック内のスペースを多く占有してしまうため、ラックマウントタイプのPCを選定する必要がある。

 

④電源が不足しないか確認する

各装置で利用する電源の容量を計算しておきが電力が不足しないよう調整する必要がある。

 

⑤鍵を付ける

セキュリティを確保するために、ラックには鍵を付けることが望ましい。

 

⑥耐震対策を考える

オプションで床固定金具などもあるため、必要に応じた準備したい。

 

⑦防塵対策を考える

一般的にはこのようなラックは、屋内のできるだけ涼しい場所に設置することが望ましいが、まれに工場で粉塵が多い場所に設置しなければならないようなケースも存在する。防塵用のモデルもあるので参考にして欲しい。

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●ラックの選定を丸投げする方法

長々と選定基準を書いたが、なかなか大きなサーバーラックを選定・手配することは難しいと感じるかもしれない。選定を丸投げしたい場合、下記URLのシートから必要項目を送ると、最適な製品が選定されるサービスもある。

www.sanwa.co.jp

 

●モニタについて

サーバーラックに機材を格納する際に、選定に手間がかかるのが実はモニタである。WindowsPCやサーバーで録画する場合は<サーバーラック用コンソール>というノートPCのモニタとキーボード部分だけを専用オプションがあるのでさほど問題とならないが、ネットワークカメラ用のレコーダーの場合、このようなサーバーラック用コンソールは容易されていない場合も多い。

その場合は、ラックマウントできるモニタがあるので参考にして欲しい。

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●パッチパネルについて

ある程度、規模が大きい商談になると、どのポートがどこに配線されいるのか分からなくならないように(またはメンテンス性を高めるために)下記写真のようなパッチパネルが取り付けられる。HUBのようにも見えるが、HUBではなくソケットだけを並べたものである。各ソケットには番号が割り当てられるため、何番のソケットがどこへ結線されているのか書類として記録を残しておく必要がある。

単にサーバーラックといっても、サイズや設置場所によっていろいろな種類がある。

サーバールームのように専用の設置スペースがある場合は、あまり問題にならないが、一般の事務所内にラックを設置する場合は、設置スペースがないなどトラブルになることがあるので、導入前にきちんと設置場所とラックの大きさの確認をしておきたい。