施工前の事前調査
ネットワークカメラで施工を行う場合、事前に『現地調査』や『現場調査』などと呼ばれる行為を行うことがある。これは、一般的に、施工費を算出するための調査である。
例えば、事務所内にカメラを設置する場合、サーバールームなどのレコーダーやPoE HUBを設置する場所から、カメラを設置する箇所までの配線経路を確認したり、防火壁などの障害物がないかどうかをチェックする。
天井の点検口などを開けて、実際に配線経路があるかどうかをチェックするのが一般的な方法である。点検口がない場合は、蛍光灯やダウンライトなどを外して配線経路を確認する場合もある。
この際、持っていると非常に便利なものが【レーザー式の距離計】である。
配線距離や難度、工数によって金額が異なる
ネットワークカメラの工事は、どのように算出されるかご存知だろうか。一般的には、『LANケーブルを配線する長さ』や『配線の難度』によって算出される。
仮に、天井裏に梁や防火壁などの障害物が何も存在せず、配線しやすい環境の場合、基本的には配線距離が長ければ長いほど作業費用は高くなる。この際、配線距離の測定に利用される装置が距離計である。
ネットワークカメラの配線作業では、数十~数百メートルを配線する場合もある。巻き尺やメジャーを利用して建屋の長さを計っていると、それだけで膨大な時間がかかってしまう。また、高い天井にカメラを設置する場合、高所作業車や高い脚立を用意する必要があり、正確な天井の高さを事前に確認しておく必要がある。
距離計があれば、レーザー光線によってすぐに正確な距離を想定することが可能だ。現場調査または現地調査時には欲しいアイテムである。
距離計の使い方
距離計の使い方は非常にシンプルだ。距離を測るだけであれば、電源を入れて、距離計から投光されるレーザーを壁や天井などへ当てるだけでよい。いろいろな機器が存在するので若干、手順は異なるが、基本的にはそれだけで距離計から壁までの距離を測定することが可能である。
機器によっては、面積や体積を計算する機能を保有するモデルも存在する。また、測定したデータは機器に保存できるモデルも多い。
実際に、以下の写真は距離計の精度を確認しているところである。メジャーで測定した場合とレーザー式の距離計で測定した場合を比較している。レーザー式の距離計の場合、1ミリ以下の数字まで表示されるため、非常に精度の高い測定が可能だ。
(※なお、筆者の機器は±2mmまでの誤差が発生する仕様となっている)
ネットワークカメラの場合、そこまで厳密な距離は必要ではないが、簡単に配線距離やカメラ設置場所の高さを測定することができる。
注意点
なお、非常に便利なツールではあるが、利用時はいくつか注意点がある。
1、レーザーは目に入れないように注意する
レーザーが直接的に目に入ってしまうと、目を傷めてしまう可能性があるため、注意したい。特に、子どもが手に届かない場所に保管することを推奨する。
2、反射する素材にはレーザーを当てない
ガラスや鏡など、光を反射する物体に対してレーザーを当てると正確に測定ができない可能性があるほか、反射したレーザーが目に入ってしまうリスクがある。
3、晴天時は適切な測定ができないことがある
屋外でも利用できないことはないが、晴天時はレーザー光が適切に当たらず、正確な距離が測定できないことがあるため、注意したい。
参考品
一般家庭でも利用できるような安価なモデルから、業務向けの防塵・防水モデルまで様々あるため、参考となる機器をいくつか紹介しておく。
基本的には、測定できる【距離】や【耐久性】、【メーカー】によって価格が異なる。
※なお、以下URLにはAmazonアフェリエイトを利用していることをご理解頂きたい。