ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

ネットワークカメラによる認証システムはどこまで普及するか?

注目される映像による認証ソリューション

昨今、テレビ番組や報道などでもネットワークカメラを活用した様々なソリューションが注目を浴びている。

代表的なものが、顔認証システムであろう。ネットワークカメラではないが、iPhoneXにも顔認証が採用されているように、徐々に映像によって認証を行うことが一般的に広がりつつある。

また、大型スーパーの駐車場などでは、以前にように駐車券で精算をしなくても、ナンバープレートの情報をカメラで撮影し、自動的にゲートを制御するシステムも見られるようになった。

 

 

しかしながら、筆者の感覚では、まだまだこのようなカメラを活用したソリューションは、普及段階には至っていないと考えられる。マーケティング用語における<キャズム>が存在しているように思われる。

すなわち、一部の先進的なユーザーはこのような認証システムをすでに導入・活用しているが、ほとんどの一般的なユーザーは導入していない状態だと言える。

筆者が想定する理由をまとめておく。

 

普及に対する課題点

 

普及に対する課題①コストが高い

*顔認証システムなどは以前と比較すると、安価なモデルもリリースされるようになってきたが、まだまだコストが必要である。例えば、下記のソニーのソリューションでは、400万円~となっている。ほかにも探せば、安価なソリューションが存在しているかとは考えられるが、やはり導入に関するシステムのハードウェアやソフトウエア、導入設定費用、保守費用などを考慮すると、それなりのコストが必要だ。

*実は、このような認証システムで利用するサーバーやPCは、高度な処理を行うためスペックが比較的高いモデルが必要となるほか、きちんと認識できるかどうかのテストなどで人件費も必要となる。そのため費用が膨らむ傾向がある。

www.sony.jp

 

普及に対する課題②ユーザー自身が活用方法をイメージできない

*導入したユーザーがそのシステムをうまく使いこなせないというリスクもある。IT知識の問題でシステムの使い方を十分に把握できなかったり、そもそもデータを分析するスキルが不足していたりするなどの理由で、データだけが蓄積されて、肝心のマーケティングに活用されていないケースがある。

 

普及に対する課題③カメラの設置場所に制限がある

*顔認証システムを導入する場合、認識率を高めるためには、顔をほぼ正面からしっかりと撮影する必要がある。ネットワークカメラは一般的に、天井の上などから下に向けて撮影をすることが多いが、角度があった場合、うまく認識ができないことがある。上下だけでなく、左右についても同様に、しっかりと顔を正面から撮影できる場所にカメラを設置しなければならない。実は適切に認証をできる設置場所がないという理由で導入ができないケースも多いのだ。

*実際にiPhoneXを利用しているユーザーだとイメージが沸くかと思うが、マスクや帽子を着けている場合も、どうしても認識率は低下してしまう。

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 このように、コストや技術的な問題などもあるが、徐々に改善されており、一般ユーザーにも広がっていくことは間違いない。

コストの問題についても、最近では、カメラ本体にアプリケーションをインストールして、大型のサーバーを必要としないタイプの製品もあり、導入のハードルは少しずつ下がってきている。

日本国内における労働力人口が低下している中で、ネットワークカメラを含めたシステムをいかに活用し効率化できるかが重要だと言われている。いま働いている環境において、ネットワークカメラで効率化できる業務がないかどうか是非、考えてみて欲しい。