近年の飲食店の傾向
複数の店舗の運営するオーナーまたはスーパーバイザーは、日々、各店舗を訪問し、実際の店舗の状況について日々、チェックをしている。
例えば「売り場が適切なレイアウトで商品陳列されているか」「従業員が本部の意向通りに作業しているか」などチェック項目は多岐にわたる…。
今日、この店舗巡回の作業をネットワークカメラに置き換えて効率化しようとする動きがある。
今回はその中でも<飲食店>におけるネットワークカメラの活用方法について説明しよう。
防犯対策からマネジメントへ
従来、店舗における監視カメラの役割は店舗のマネジメントではなく、主に「防犯対策」として利用されるケースが多かった。
現在においても、防犯対策(特に万引きや内引き<従業員の窃盗>)への対策として、監視カメラが必須のアイテムであることは変わりない。
しかしながら、今日では防犯対策だけではなく、マーケティングおよび店舗のマネジメントのツールとしてネットワークカメラが活用されているのだ。
飲食店においてもネットワークカメラの導入が広がっている。主な活用方法としては「従業員の教育」と「顧客の来店状況のチェック」だ。
飲食店においてはもちろん提供される料理の味が重要であることは言うまでもないが、それ以上に重要視されるのか従業員の接客である。どんなに美味しい料理を食べても従業員の接客態度が悪いと、顧客に悪い印象を与えてしまい、大切なリピーターを失ってしまうことになる。また、業態によってはアルバイトを雇用しているケースもあり、その教育やスキルアップが課題になっている。
これらの課題を解決されるツールの1つとしてネットワークカメラが活用されつつある。
飲食店に最適なカメラ
①暗闇に強いこと
1つ目に、暗闇でもカラー撮影ができるという点だ。飲食店の場合、傾向として<温かみのある照明>を利用しているケースが多い。そのため、設置環境によっては薄暗い場所での撮影となる。暗闇に弱いカメラの場合、モノクロでの撮影になってしまったり、ノイズが入って適切に撮影ができなくなるため、暗い場所での撮影に強いカメラが望ましい。
②音声に対応していること
2つ目に、音声受信ができることである。従業員が正しく挨拶をしているか、マニュアル通りに対応しているのか音声で録音しておくのである。また、万が一、顧客とトラブルが発生した場合でも、証拠として残すことが可能となる。
ただし、当然ではあるが、プライバシーの問題があるため設置場所には十分に注意する必要がある。個室などに設置した場合、重大なクレームになる可能性がある。
③首振りやズームに対応していること
3つ目に、首振りやズームに対応していることである。防犯対策の場合、固定の広角カメラが利用されることが多いが、店舗マネジメントの場合、ズームカメラが望ましい。例えば、ズームカメラであれば座席表を確認し、リアルタイムの来客状況が確認できるためだ。
また、店舗のレイアウトによっては、どうしても接客がおろそかになりやすい座席などがある場合があり、そのエリアのフォローができているかどうかもチェックすることができる。
さらに、あまり望ましいことではないが、飲食店のレジなどでは従業員による内引きが発生しているのも事実である。(または、意図せず、顧客とのお金の受け渡しの際に、誤った金額を渡してしまうリスクもある。)このようなトラブル発生時に、お札の種類まで見分けができた方が望ましいため、レジ周辺はズームに対応しており、画質も高いモデルが最適である。
④目立たない設置ができること
4つ目に、目立たない設置ができることである。仮に飲食店で、ボックス型カメラが設置されている場合、顧客に無意識的に威圧感を与えてしまう可能性がある。ホコリが溜まることを防ぐためにも、できるだけ小型のドーム型カメラが望ましい。また、カラーについても、場所によってはシルバーではなく、ブラックモデルを採用したい。
⑤外出先や拠点先から閲覧できること
5つ目に、外出先や拠点先から閲覧できることである。今日では、スマートフォン用のビューワーやアプリケーションがあるため、これらのツールを利用して外出先から店舗の様子を見えるようにする。なお、アプリケーションによって、映像のみ閲覧ができるものと音声も聞こえるタイプのアプリがあるため、事前にチェックしておきたい。
注意点
注意点としては、上記にも記載したが、プライバシーの問題である。顧客のプライバシーを侵害しないよう注意する必要がある。また、従業員においても、日々の作業を「監視されている」という意識を持たれてしまう可能性があるため、できるだけ威圧感を与えないような設置方法が必要だ。カメラのカラーや埋め込みなど、できるだけ目立たない設置を心掛けたい。