レコーダーの設定情報の保有方法
ネットワークカメラシステムで用いられるレコーダーには、設定情報を保有するパターンがざっくりと2種類に分かれる。
1つ目が、レコーダー本体に挿入されたHDDに設定情報を保有するパターンである。
2つ目が、HDDには設定情報を保有せず、システム部分に設定情報を保有するパターンである。
以下はシステムケイ社のレコーダー NVR-204 MkⅡのカバー部分を開封した画像である。画面左側が実際に録画した映像を保存するHDDとなっており、画面右上がカメラなどの設定情報を保有する領域となっている。
HDDに設定情報を保有しないことのメリット
この2つ目のパターンである『HDDには設定情報を保持しない』形式であるが、ネットワークカメラシステムにおいては、障害発生時にしばしば役立つことがある。
一般的なレコーダーでは、最も多い故障の1つがHDDの消耗によるエラーの発生である。もし、HDD側に設定情報を保有していた場合、HDDを交換する際に、レコーダーの設定情報も消えてしまうため、原則として再設定が必要となる。
一方で、HDDには設定情報を保有せず、システム部側に設定情報を保有していた場合、HDDを交換しても、カメラのIPアドレスの情報などは原則として消えることがない。HDDのフォーマット処理だけで済むので、障害復旧が早く終えられる可能性があるのだ。
また、HDDでエラーが起きてしまった場合、録画は停止するかもしれないが、ライブ映像は表示することができるモデルも存在する。モニタリング専用装置として運用することも可能である。
米なお、レコーダーによっては、いわゆる『設定情報やシステム情報』は高速で処理ができる耐久性の高いSSDに保存しておき、通常の録画データはHDDに保存されるものもある。
HDDは消耗品
ネットワークカメラシステムにおいては、24時間、HDDに対して映像を保存したり、データを削除しているケースもある。むしろ、日本国内においては24時間録画が一般的である。
いくら耐久性の高いHDDを実装していたとしても、その設置環境によっては、どうしてもHDDの消耗が避けられないケースがある。もちろん5年以上録画していても全く不具合がでないケースもあれば、2~3年で故障する場合もある。
やはり2年以上経過してくると、HDDの消耗は激しくなる傾向は否定できない。
このようにHDDが消耗してしまい交換が必要となった場合、システム部に設定情報を保有させておき、HDD交換時に設定データが消えないレコーダーはメリットがあると、筆者は考えている。
非常に細かいことかもしれないが、レコーダーの導入を検討しているユーザーは、その筐体がどのように設定データを保有するのかを念のため確認しておくと良いだろう。