赤外線の投射距離
もう何度も記事では書いているが、ネットワークカメラはカタログスペックでは比較することができない。実際にカメラを2台並べてみてどちらの映像が望ましいのかチェックする必要がある。
カタログのスペック値は参考値程度にしかならないのだが、あえて各メーカーで赤外線投光距離が最も長い機種を探してみることにする。
エントリーNO1:パナソニック WV-S1531LNJ
赤外線投射距離:40m ※IRE記載なし
エントリーNO2:ソニー SNC-VB642D
赤外線投射距離:100m ※30IRE時に100m 50IRE時は60m
エントリーNO3:キヤノン VB-H761LVE
赤外線投射距離:60 m ※PoE+利用時/T端 ※IRE記載なし
エントリーNO4:AXIS Q1765-LE
赤外線投射距離:40m ※最も望遠寄りの場合 ※IRE記載なし ※別モデルでP1435-LEがあり、10~22mmレンズの場合、赤外線投射距離:50m可能なモデルもある。
エントリーNO5:ハイクビジョン DS-2CD4A26FWD-IZ
赤外線投射距離:50m程度 ※IRE記載なし
今回、比較対象となった5社の中ではソニーのSNC-VB642Dが、赤外線投光距離が長い結果となった。
ただし、ここで注意点が必要だ。今回比較した5製品は同等品ではない。
パナソニックのWV-S1531LNJ および ソニーのSNC-VB642D、 ハイクビジョンのDS-2CD4A26FWD-IZは、どちらかというと広角カメラであるのに対して、
キヤノン VB-H761LVE および AXIS Q1765-LEは、ズーム型のカメラである。
(※パナソニックにはWV-S1531LTNJという焦点距離:9.0 mm ~ 21 mmのモデルもある。)
よって、遠い場所をスポット的にモニタリングしたい場合は、キヤノン VB-H761LVE または AXIS Q1765-LE(およびP1435-LEの10~22mmレンズ)、WV-S1531LTNJが望ましいこととなる。
赤外線投光時のフォーカス
赤外線投射距離と合わせて重要となるのが、赤外線投射時のピントの合い方だ。
実は、可視光と赤外線では光の屈折率が異なるため、カラーで撮影していた時はピントがあっていても、モノクロで赤外線投射を行った際に、ピントが合わずぼやけたような映像になる場合がある。
そのため、カメラメーカー各社は、赤外線投射時もピントが合うように開発競争をしている。
特に重要となるのが、ナンバープレートを認証するソリューションでカメラを用いる場合である。
今回、カタログスペックを比較してみたが、導入時は実機での撮影テストが望ましい。