ネットワークカメラ推進会

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光学ズームとデジタルズームを理解する

ネットワークカメラのズームの方法には、主に<光学ズーム><デジタルズーム>の2種類がある。ネットワークカメラにおいては最も基本となる知識である。

 

光学ズーム

光学ズームはレンズを利用してズームアップするので、基本的に画像の劣化はない。まずは、下記動画の25秒以降をご覧いただきたい。光学30倍のズームアップができるカメラでは、1~200m先の車両の撮影も可能である。

 

光学ズームの性能に優れたカメラは遠い場所のモニタリングに最適だ。屋外で広い敷地を見まわしたり、工場内で生産ラインの稼働状況の細部を確認したり、様々なシーンで活用される。一方で、一か所にズームアップをすると、その他のエリアは死角となるため、敷地全体を撮影したい場合には向かない場合もある。

なお、光学ズームができるカメラにおいて、最もレンズを引いて画角を広く撮影した状態をW(ワイド)端と呼び、最もズームアップした状態をT(テレ)端と呼ぶ。

 

デジタルズーム

一方、デジタルズームは『画像の一部を引き伸ばして拡大する方法』である。ズームアップを行うほど、画像が劣化し、ジャギが目立つ。非常に分かりやすい動画があったのでURLを貼り付けておく。

デジタルズームは主に、広角のカメラで広く撮影・録画をしておき、録画データを再生する際に、細部を少しでも見やすくするために用いられる場合が多い。近年では、ネットワークカメラが高解像度になっており、デジタルズームでもあまり劣化しない映像を取得できる場合もあるが、やはり限界は存在し、光学ズームカメラのように遠方を撮影することはできない。

 

疑似的な光学ズーム(トリミング)

ちょっとわかりにくいかもしれないが、ネットワークカメラには「疑似的な光学ズーム」が存在している。パナソニックのコンパクトデジタルカメラなどに搭載されているズーム機能で『EXズーム機能』と呼ばれるものがあるが、これが「疑似的な光学ズーム」に該当する。レンズの力を利用せずにズームアップしているにもかかわらず画像が劣化しないという特徴がある。実際には、疑似的な光学ズームというよりは「劣化をさせずに、画像をトリミングする」技術である。

各社で様々なアルゴリズムがあるため、筆者もこの技術についてはまだ十分な知識があるわけではないが、イメージとしては下記の通りだと認識している。例えば、いま<黄色><赤><青><緑>が映った画像があったとする。ここで、ピンク色の枠部分に対して、ズームアップを行う。

●光学ズームの場合、レンズの力を利用してズームアップを行うため画像の劣化はない。

●デジタルズームの場合、ピンクの枠をトリミングした後に『補完拡大』と呼ばれる画像を強引に引き伸ばすことで拡大を行うが、画質の劣化は避けられない。

●疑似的な光学ズームの場合、画像を『トリミング』して、強引な拡大をせずに表示させるものである。画像の劣化は起きないが、解像度が低くなるというデメリットがある。

その他、各メーカーによって「劣化が目立たないデジタルズームまでは許容する技術」などもあるため、デジタル処理によるズームの機能は一概にメーカー間での比較は困難であるが、これまでのように<光学ズーム>や<一般的なデジタルズーム>のほかにも「劣化の少ないデジタルズーム」もあることを覚えておいて欲しい。