よくあるシステム設計の失敗例
ネットワークカメラシステムを構成する際に、よく失敗する例の1つとして「メーカー間の互換性がない」というケースがある。
もっとわかりやすく説明すると、仮にA社のカメラをB社のレコーダーで録画しており、
新しくC社のカメラを購入して、既存のB社のレコーダーで録画しようとしても、正しく登録・録画ができないケースがあるということである。
ネットワークカメラには、業界の統一した規格として【ONVIF(オンビフ)】というものがあり、この規格で製造されたカメラについては互換性を持つ・・・ということになっている。
しかし、実際には、レコーダーによって対応しているカメラと対応していないカメラがあるため十分に注意が必要だ。
ROD社のレコーダーの場合
あくまでも1つのサンプルとして下記のURLをご覧いただきたい。
ROD社は、2005年に世界で初めてNASタイプのレコーダーを発売した業界の中でもパイオニア的な存在である。
上記メーカーのレコーダーは、国内外の様々なメーカーのカメラに対応しており、1つのカメラメーカーに偏らない汎用的なレコーダーとなっている。
各カメラメーカーが発売しているレコーダーの場合、基本的にはそのメーカーのカメラしか登録・録画することができないため、様々なメーカーのカメラを利用したいユーザーは必然的にROD社のようなサードパーティ製のレコーダーを選択することとなる。
しかし、ここで注意が必要となるのが、汎用的なサードパーティ製のレコーダーであっても、登録ができないメーカーやカメラがあるということである。また、カメラ本体が対応していた場合でも「動体検知機能」が利用できないなど、機能制限があるため注意が必要だ。
なお、上記はあくまでもほんの一例にすぎず、ネットワークカメラの世界では、「各メーカー同士の製品が対応しているかどうか?」または「互換性があるかどうか?」常にチェックが必要だ。
ネットワークカメラシステムはカメラ本体だけではなく、PoE HUBやレコーダー、モニタ、PCなどさまざまな製品の組み合わせによって構成される。
様々な機器を選定していく中で1つでも対応していない製品が含まれている場合、システムが動かず、追加のコストが発生してしまうケースも少なくない。
初めてネットワークカメラを導入するユーザー(または提案する業者)は十分に注意が必要だ。
「昨年までは対応していなかったが、今は対応している」「旧モデルでは対応していたが、新モデルは非対応となった」など、業界ではよくある話なのだ。
その点、ROD社は新しくリリースされたカメラへの対応も早く、また不具合発生時も比較的早く修正を行うため、信頼性が高いメーカーの1つといえるだろう。
メーカー間の互換性の必要性
ただ、筆者の個人的な意見としては・・・・、「もっと業界で統一したルールで開発して欲しい」と願っている。
現状では、IT知識のないユーザーがシステム構成を考えることが非常に難しい状況がある。
それぞれのメーカーが他社との差別化を図るために開発を進めているため、仕方がない側面もあるが、あまりにもユーザーが置き去りにされる状況だけは避けたい。
メーカー間の仕組みが異なるため、現実的にはなかなか難しい問題であることは理解しているが、今後、市場がさらに伸長するためには必要なことであると私は考えている。