PoE+対応の小型PoEスイッチ
今回は、TP-Link TL-SG105PEについてレビューしていきたい。このモデルは、簡易的なマネジメント機能がついた、コスパが良いPoE HUBである。SOHOや個人ユーザー向けのモデルとしては、手が出しやすい価格帯だと思われる。
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筆者が、PoEスイッチに求めていた機能は以下の通りである。
1、できるだけ小型であること ※持ち運びしたいため
2、PoEだけではなく、PoE+に対応していること
3、ポートミラーリングができること
4、IGNPスヌーピングに対応していること
5、ネットワークカメラの障害時に、自動的な再起動に対応していること
Amazonでこの条件に合う製品を探していたところ、たまたま合致したものが、『TP-Link TL-SG105PE』というわけだ。
スイッチの性能は以下の通りである。
・スイッチング容量 10Gbps
・パケット伝送レート 7.44Mpps
・MACアドレス テーブル 2K
・パケット バッファメモリー 1.5Mb
・ジャンボ フレーム 16KB
もっと安価な製品としては『TL-SG1005LP』や『TL-SG1005P』もあるが、こちらは管理機能がついていないので注意して欲しい。
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各機能について
この記事では、TL-SG105PEの基本的な機能や性能について説明したい。
小型であること
TL-SG105PEは手のひらサイズとなっており、設置場所をとらない。持ち運びに便利であるため、この製品を選定した。以下の写真のようにとってもコンパクトである。
ただし、電源アダプターもそれなりの設置スペースは必要となる。 ※PoE給電を行う必要があるため、電源アダプターはどうしても大きくなってしまう。
また、AC電源ケーブルのコネクタ部分についてはミッキー型なので注意して欲しい。
PoE+の必要性
筆者が最も必要とした性能が『PoE+(プラス)』だ。一般的なPoE機能ではIEEE802.3af規格となっており、15.4Wまでのカメラにしか対応できない。一方でPoE+では、IEEE802.3at規格となっており、30Wまで対応できる。
ズーム機能や強い赤外線投射機能を保有したカメラでは、30Wまで必要とするケースが多いため、PoE+対応のモデルが欲しかったのだ。
※なお、近年では、HighPoEやPoE++に対応したネットワークカメラもリリースされている。しかし、本製品については、上記の規格(HighPoEやPoE++)には対応していない。
ポートミラーリングに対応していること
筆者が必要とした機能が『ポートミラーリング』だ。これは、1つのポートに流れているパケット情報をコピーして流すことができる機能である。
障害発生時やネットワーク帯域を測定する際に必要とする機能だ。筆者は、度々、ワイヤーシャークを利用して、ネットワーク帯域を確認することがあるのでこの機能が欲しかったのだ。
IGNPスヌーピングに対応していること
これは、マルチキャストを利用する際に必要な性能である。前回の記事で、マルチキャストの検証を行ったが、うまくいかなかった。うまくパケットが流れずに、つかえたような状態になっていた。
IGNPスヌーピングに対応したL2スイッチであれば、マルチキャストがうまくいくと聞いている。
また、機会があればマルチキャストの検証を実施したい。
接続した機器の自動的な再起動ができること
TP-Linkの場合、『PoEオートリカバリー』という機能がある。例えば、ネットワークカメラが、一時的にハングアップ(フリーズ)してしまった場合に、自動的に再起動をかけてくれるようだ。
ネットワークカメラは、言ってみれば、1つの小型なコンピューターである。近年では、性能が向上しているので、ハングアップすることは少なくなっているが、まれにカメラがハングアップしてしまうことは起きてしまう。
このような現状が発生した場合の対応策として、一般的なPoE HUBであれば、一度、LANケーブルを引き抜いて、再度、差し込む必要がある。しかし、『PoEオートリカバリー』に対応したモデルであれば、自動的にPoE給電をいったん止めて、再度、PoE給電を開始することで、カメラの再起動ができるのだ。
仕組みとしては、機器に対してPINGを送信し続けており、PINGが通らなくなった場合に、PoE給電のOFF/ONを行うようだ。
まとめとして
このように『TP-Link TL-SG105PE』は、安価でありながら、小型で簡易的なマネジメント機能が付いているPoEスイッチである。
いくつかのネットワークカメラで動作テストを行ってみたが、いまのところ問題なく動作できている。
この記事では、割愛したが、実際に部屋に設置してみると、『ファンレス』という点も良かった。リビングに設置しても、ほとんど音がしないので、自宅向けのPoE HUBとしては向いているかもしれない。
具体的な設定方法や手順については、次回の記事で説明していきたい。