ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

ネットワークカメラで録音する

ネットワークカメラで音声を録画する

 

 ネットワークカメラの中には、単に映像を録画することだけではなく、録音もできるモデルが存在する。

 

 映像と合わせて音声も記録しておくことで、何らかの事件や事故、トラブルなどが発生した場合に、エビデンスとして残しておくことが可能だ。

 

 例えば、飲食店や流通小売店などでは『従業員がきちんと接客をしているのか?』というマーケティングの目的で導入されることがある。また、それ以外にも、来店者と何らかのトラブルがあった場合に、『言った・言わない』などのクレームにならないよう、きちんと説明義務を果たしたことの証拠として音声を残したいというニーズもある。

 

 あくまでもネットワークカメラシステムの場合は、映像がメインのシステムであり、音声の録音については【付加価値的な要素】でしかないが、映像と合わせて音声も録音しておくことで用途が広がる可能性がある。

 

f:id:networkcamera:20200106232637j:plain

 

ネットワークカメラのマイクの種類

 

 ネットワークカメラには、主に2種類のマイクが存在する。1種類目が『カメラにマイク機能が内蔵されるモデル』である。2種類目が『カメラにマイク用の端子があり、汎用のマイクを外付けできるモデル』である。

 

 また、外付けできる汎用のマイクには、コンデンサーマイクやダイナミックマイクが存在している。外付けマイクの場合、必要に応じて【アンプ】を設置することで、音声の電気信号を増幅させることも可能だ。

 

 ネットワークカメラに内蔵されるマイクのメリットとしては、コストを抑えてマイクを導入することができることである。一方、デメリットとしては、収音能力に限界があり、設置環境によっては、適切に音声を拾うことができないリスクがあることである。

 

 ネットワークカメラに外付けマイクを付けるメリットとしては、設置環境により、適切なマイクを選択できる点である。カメラとマイクの位置を少し離して設置したり、より収音能力が高いマイクを採用することもできる。一方、デメリットとしては、カメラにマイクが内蔵されているモデルと比較すると、コストが上がってしまうことである。

 

 ※なお、すべてのネットワークカメラに対して、外付けのマイクが結線できるわけではないので注意して欲しい。ネットワークカメラに外付けのマイクを取り付けできるモデルの場合、仕様書に『ラインインやマイクイン、または音声入出力端子』などと書かれている。

 

 ※また、外付けのマイクであるが、カラオケボックスなどにあるようなハンドタイプのマイクとは異なり、天井に埋め込むことができるタイプのマイクを選定することが一般的である。以下の製品のようにアンプをPoE給電で動作させることができるモデルも存在している。

www.audio-technica.co.jp

 

f:id:networkcamera:20200106224736j:plain

 

指向性・無指向性

 

 マイクには、指向性のあるモデルと、無指向性のモデルが存在している。指向性のあるマイクの場合、すべての方向の音を拾うのではなく、特定の方向性の音を拾うことができるマイクである。

 

 一方で、無指向性のマイクの場合、特定の方向ではなく、カメラの周囲全体から音声を拾うことができる。

 

 これも設置環境に応じて【指向性のマイク】か【無指向性のマイク】か選択する必要がある。指向性のあるマイクの場合、マイクの設置方向を間違えると音声をうまく拾うことができないリスクがあるため、設置時には注意して欲しい。

 

 

f:id:networkcamera:20200106225601j:plain

 

できれば実機でテストしてみることが望ましい

 

 ネットワークカメラのマイク機能であるが、冒頭でも説明したとおり、あくまでも『付加価値的な機能』である。実際に、カメラとマイクを設置してみたけれど、『うまく音声を聞き取ることができない場合』や『雑音やノイズが大きい場合』も存在する。

 

 一度、カメラやマイクを天井に設置してしまうと、なかなか交換や再設置は難しい可能性があるため、筆者はできるだけマイクを利用する際は、事前の検証作業を実施することを推奨したい。

 

 会議室などの閉じられた空間であれば、どのようなマイクを利用しても、ほぼ音声の取得はできる可能性が高いが、オープンスペースの場合、空間が広ければ広いほど、うまく音を拾うことができないリスクがあるためだ。

 

 また、小売店などの場合、店内に音楽などを流しているケースもあり、それらの音楽の影響で“話し声”を聞き取ることが難しいケースや、空調設備の騒音によりうまく会話を聞き取ることが難しいケースもある。

 

 これらの導入後のトラブルを防ぐためにも、できるだけ事前の音声テストをしておくと良いだろう。

 

ハウリングが発生するときは?

 

 ネットワークカメラと閲覧用のモニタ(スピーカー)が同一の部屋内にある場合は、ハウリングが発生する可能性もあるため注意したい。モニタのスピーカーから出された音をカメラのマイクで拾い、その音がまたモニタのスピーカーから出されてしまい、音がループする状態となった場合、ハウリングが発生する。

 

 このような状態になっている場合は、閲覧用のPCやモニタにイヤホン(またはヘッドホン)を付けて音声を再生すると、音がループすることを防ぐことができる。

 

f:id:networkcamera:20200106233727j:plain



まとめ

 

  • ネットワークカメラにマイクを付けることで、映像と合わせて音声もトラブル発生時のエビデンスとして活用することができる。

 

  • マイクには、カメラに内蔵されるモデルと、外付けのマイクを接続できるモデルがある。

 

  • 導入時には、できるだけ事前の音声テストをしておくことが望ましい。