設定のしやすさ
ネットワークカメラシステムを提案するベンダーはなぜパナソニックを選定するのだろうか?
もちろん、市場シェアやカメラ本体性能の高さもある。しかし、製品選定の理由はそれだけではない。実は「設定のしやすさ」が選定理由となっている場合もある。
現在のネットワークカメラの設定画面は、残念ながら業界共通の画面レイアウトではなく、各メーカーごとにバラバラである。
基本的な設定項目は同じであっても設定手順が異なるため、ベンダーのエンジニアは各社の設定方法を覚える必要がある。そのため、カメラの本体性能以上に設定のしやすさが提案時の選定基準となることがある。具体的にパナソニックの評価すべきポイントを説明しよう。
かんたんキッティング梱包
これはパナソニック製ネットワークカメラの一部の機種に限られるが「かんたんキッティング梱包」と呼ばれる梱包がされているモデルがある。これは、カメラ本体を箱から取り出すことなく、ケーブルを結線し、初期設定ができるものである。
小規模なシステムではあまり問題とならないが、大規模なネットワークカメラシステムの場合、設定に多くの時間を必要とする。そのため、一般的には施工前にあらかじめIPアドレスなどの基本的な設定情報を入れておき、設定済の筐体を取り付けする方法を行う。この際、意外と面倒で時間がかかる作業が、開梱や再梱包の作業だ。
仮に、30台分のカメラの設定を行うことをイメージして欲しい。箱から取り出す作業を1台あたり1分で実施したとしても無駄な作業が30分増える。100台あれば、100分も時間のロスが発生するのだ。
実際には、カメラ本体にラベルを貼り付けしたり、外装チェックを行ったりするケースもあるので開梱が必要となることもあるが、少なくとも最低限の動作チェックだけでも施工前に行うことができる。ネットワークカメラシステムの場合、初期不良が発生すると、一度、取り付けしたものを再度、取り外して別日程で再施工する必要があるため、極力、初期不良がないかどうか技術者はチェックしておきたいのだ。
かんたん設定
ネットワークカメラシステムの中でも最も難しいと感じられる設定が<インターネットへの公開>や<SDカードへの録画>の方法である。カメラメーカーによっては、SDカード側の設定や録画スケジュールの設定項目の画面がバラバラだったりするので、覚えるのがなかなか大変だ。
BBシリーズには<かんたん設定>というボタンがあり、ウィザード形式のようなイメージで必要な設定が可能である。カメラ初心者にはおススメの設定方法だ。
カメラとPoEスイッチを同時に設定する
IPアドレスを割り当てるのはカメラ本体だけでなく、場合によってはHUBなどのネットワーク機器にもメンテナンス性を高めるためにIPアドレスを割り振ることがある。この際パナソニック製のHUBであれば、カメラとHUBをまとめて設定することも可能である。下記動画をご覧いただきたい。
※上記動画をご覧いただくとわかりやすいが、ネットワークカメラシステムのキッティング時には上記動画のように、開梱と再梱包のために多くの箱が散乱することとなる。①で紹介した<かんたんキッティング梱包>の有効さを実感できる。
ネットワークカメラシステムは、高機能・高性能化が進む一方で、設定方法については、まだまだ難しいところが多い。
ITに疎い一般ユーザーが設定することはなかなか難しく、また納入ベンダーであっても細部まではわかっていないことも多い。
各カメラメーカーには「いかに設定画面や操作画面を簡易化できるか?」という視点でも開発を進めていただけると幸いだ。