ネットワークカメラ推進会

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ネットワークカメラはオワコンなのか?

ネットワークカメラの市場推移

 

 ネットワークカメラ市場はこの数年で、大きく成長を遂げた。

 

 調査会社によって市場成長率は異なるものの、いずれのデータにおいても年間5%~10%以上の成長を見せた。

 

 従来はアナログカメラシステムの販売シェアが大きかったが、現在においてはネットワークカメラシステムの方が相対的にシェアが大きくなっている。

 

 また、中長期的な予測としても、アナログカメラシステムは市場が徐々に縮小し、ネットワークカメラシステムがシェアを拡張し続けるとの見解が一般的な考えとなっている。

 

 しかしながら、日本国内のメーカーやベンダーの動向をみてみると、やや開発や販売への注力の度合いが弱まっている印象も否定できない。

 

 製造部門の売却や開発と販売会社の分離など、市場参加者の統廃合も進みつつある。

 

 いま、ネットワークカメラ市場で何が起こっているのだろうか?

 

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オリンピック需要の終息

 

 まず、ネットワークカメラ市場にとって重要なインパクトがオリンピック関連の需要が終わることである。

 

 東京オリンピックが決まった2013年以降、ネットワークカメラ市場は特に注目されるようになった。

 海外からも多くの観客や関係者が来日することが予想され、新しい施設への導入や防犯対策のニーズにより、市場は大きく伸びていった。

 

 しかしながら、いよいよ今年はこのオリンピック特需が終わってしまうのである。

 調査会社によって分析結果は異なるものの、2020年は市場の成長が鈍化することは間違いだろう。市場の収縮も否定できない。

 

 ネットワークカメラ市場は、2020年に1つのターニングポイントにあることは間違いないだろう。

 

コモディティ化が進んだ

 

 この数年のネットワークカメラ市場を見返してみると、各メーカーの製品の差別化が難しくなってきていることも事実であろう。

 

 従来のアナログカメラでは、約30万画素程度の解像度であったが、ネットワークカメラでは、ハイビジョンやフルハイジョンなど高解像度化が飛躍的に進んだ。

 また、暗い場所においても、よりキレイに撮影できるようになった。

 JPEGからH264やH265への移行が進み、高いフレームレートで滑らかな動画での録画が標準的となった。

 【キレイに撮れる】ことが、ある面では当たり前になったのだ。これはユーザーにとっては大きなメリットであるが、市場の盛り上がりという視点においては、筆者はなんとなく寂しさを感じてしまう。

 

 話は変わってしまうが、かつて、iPhoneが日本市場に投下された時のインパクトは非常に大きいものだったと記憶している。新商品がリリースされる度に多くの人々が熱狂と興奮に溢れた。

 しかしながら、iPhone6あたりから、だんだんとハードウェアのスペックとしては、劇的な進化は少なくなってきている印象がある。

 こんなことをいうとAppleの愛好家から怒られるかもしれないが、新しい機種が発表されたとしても、かつてのような社会現象ともいえる熱狂と興奮はすでになくなっている。

 

 ネットワークカメラも、スマートフォンの進化と重なって見える。かつて、新製品がリリースされ、そのキレイな映像に人々は驚かされた。未来に対する期待感があったのだ。

 しかしながら、現在においては各メーカーから新製品がリリースされたとしても、かつてのような新鮮な気持ちはもうない。

 どこかマイナーバージョンアップに見えてしまうのである。

 

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中国企業の躍進

 

 また、日本のネットワークカメラメーカーにとって、頭の痛い問題の一つが中国企業の躍進であろう。

 日本国内においては、ハイクビジョンやダーファの知名度やシェアはそれほど高くないものの、グローバルのシェアでみると、中国企業のシェアが飛躍的に伸びている。

 もちろん、その大きな要因は、中国国内における市場の拡大であるが、海外へ進出することで、価格の下落が進んでいる。

 中国メーカーのブランドそのものがカメラ本体に記載されていなかったとしても、OEMまたはODM商品として日本にもじわじわと市場に浸透しつつある。

 

 これもスマートフォンの市場の傾向と似ているところがある。近年、HUAWEIやoppoなどの中国メーカーが日本での存在感を高めつつあるように、

 ネットワークカメラ市場においても中国メーカーの圧倒的なコストパフォーマンスに、日本メーカーは翻弄されている傾向がある。

 

 ユーザーにとっては選択肢が増えるというメリットがあるのは事実であるが、やはり国内メーカーの盛り上がりがなくなってきているのは、筆者はやや寂しさを感じてしまう。

 

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ネットワークカメラはオワコンなのか?

 

 これまで、ネットワークカメラの市場の課題や悪い側面ばかりを書いてしまったが、ネットワークカメラがオワコンかというと、それは全く違う。

 

 ある意味では、これからが本当の意味でネットワークカメラが活躍すべきフェーズがやってきているのである。

 

 ネットワークカメラは従来は《防犯対策》が一般的な利用目的であった。しかしながら、近年では、《マーケティング》や《業務の効率化》など、利用シーンが拡大しつつある。

 

 AIとネットワークカメラが組み合わさることで、従来はヒトが行っていた作業をAIに置き換わることが期待されている。

 AIの目として、ネットワークカメラは極めて重要なツールの1つなのだ。

 

 今後、労働者人口が少なくなることが予想される日本において、AIとネットワークカメラをいかに活用できるのかが、重要なポイントであると、筆者は考えている。

 

 また、2020年はいよいよネットワークインフラにおいて、5Gの回線がスタートする年でもある。

 現在は、ネットワークカメラはPoE HUBを利用した有線ケーブルによる導入が主流となっているが、今後、5Gの回線が普及することで、無線化が急激に進む可能性もありうる。

 

 まだまだ、AIや5Gの普及については、技術面やコスト面でさまざまな課題があるのは事実である。

 ネットワークカメラも、まだまだ防犯対策が一般的であり、業務の効率化という視点で活用されているケースはそれほど多くはない。

 

 しかしながら、ネットワークカメラは終わったコンテンツというわけではなく、これからが本当の意味で≪未来をより良いものにするための、重要な役割≫を期待されているのだ。