ONVIFとは?
ONVIFとは、非常にざっくりと説明すると、メーカーが異なるネットワークカメラやレコーダーでも、相互利用ができるように設計された業界の規格である。
例えば、現在、A社のカメラとB社のレコーダーを保有していたと仮定する。
ONVIFの規格に準拠しておらず、ドライバーも対応していない場合、A社のカメラは基本的にA社のレコーダーでしか録画することができなかった。逆に、B社のカメラもB社のレコーダーでしか録画することができなかった。
A社のカメラをB社のレコーダーで録画することは、原則としてできなかったのだ。
しかし、これでは、実際に利用するユーザーにとっては不便である。これを解消するために、作られたものがONVIF規格である。
※なお、今回の記事では、あくまでもざっくりと説明するために、簡易的な説明をしている。実際には、サードパーティー製のレコーダーなどは、A社のカメラもB社のカメラも、両方のカメラのドライバーに対応することで、対応できているケースもある。
ONVIF規格に準拠したカメラであれば、メーカーの垣根を越えて、録画することが可能である。A社のレコーダーは、A社のカメラもB社のカメラも両方とも録画することができる。
ONVIFには、映像の通信に関する“ONVIFプロファイルS“のほか、様々な規格が存在しており、アクセス制御やアラーム連携などもできることもある。
詳細については、ONVIFの公式サイトを参照して欲しい。
ONVIF利用時の重要な注意点
しかしながら、ONVIFを利用してカメラを登録し、録画を行う場合は、十分に注意が必要だ。基本的には、事前の動作確認や検証作業を推奨する。
実際に筆者も、ONVIF規格に対応しているにもかかわらず、うまく録画ができなかったり、途中でカメラが切断されてしまうなどのトラブルを経験したことがある。ONVIF対応のカメラであっても、異なるメーカー間で録画を行う場合は、事前のテストを行うことが望ましい。
また、広く普及しているONVIFプロファイルSは、映像の通信や制御に関するプロトコルである。レコーダーに、異なるメーカーのカメラを登録できた場合も、『モーション検知が利用できない』『イベントを検知できない』『選択できるストリームに制限がある』など、様々な機能の制限が発生するため、十分に注意が必要だ。
まとめとして
- ONVIFは、異なるカメラメーカーでも録画を行うことができる便利な共通規格である。
- しかし、絶対的に信頼できるものではなく、何らかの機能制限もあるため、事前の動作検証が望ましい。