ネットワークカメラのレコーダーは障害に気づきにくい!?
ネットワークカメラを導入したユーザーの中には、ほとんど映像の確認をしない方も多いのではないかと思われる。導入した直後は映像をよく確認するが、時間が経過してくると、映像を見返すことが少なくなってしまうのだ。
いざ、何か事件や事故などのトラブルが発生した場合に録画映像を再生しようとすると、『レコーダーが壊れていた!!』と気づくユーザーも多いのではないかと考えられる。日々、レコーダーの健康状態をチェックしていないと障害には気づきにくいのだ。
本記事では、レコーダーに障害が発生した場合に、どのように気づく方法があるのかを説明する。
そもそも、システム障害にはどのようなものがあるのか?
ネットワークカメラシステムにおけるレコーダーの障害には、様々なケースがあるが最も多い障害は以下の2点だ。
- HDD(ハードディスク)の障害やエラー
- カメラとの接続エラー
まず、1.のHDDの障害やエラーについて説明しよう。ネットワークカメラシステムの中でも、最も障害のリスクが高いものが、HDDの障害だ。HDDは消耗品と言ってもよい。どうしても、24時間365日書き込み(録画)を続けていると、経年劣化によりHDDが痛んでくる。筆者の経験上も2年くらい経過すると、HDDの障害リスクは高くなる印象だ。
2.のカメラとの接続エラーも障害発生の件数は多いと思われる。カメラ本体が故障した場合のほか、途中にあるPoE HUBなどが障害を起こしている場合にも、カメラとの接続エラーが発生する。
1.のHDDエラーが録画システム全体が停止するリスクがあるのに対して、2.のカメラとの接続エラーの場合、部分的な録画の停止が起こるリスクがある。カメラの台数が多い場合、カメラとの接続エラーには気づきにくくなる。
そのため、障害発生時にできるだけ早くユーザーに通知を行う設定を入れておくことが望ましい。以下、レコーダーの設定例について説明しよう。
NVR-204 MkⅡの通知設定について
今回は、レコーダーの一例として、システムケイのNVR-204 MkⅡを利用して障害時の通知設定について説明したい。
システムケイのNVR-204 MKⅡの場合、通知ができる項目は以下の通りだ。
NVRイベント
- ディスクエラー
- ディスクステータス変化
- HDDの上書き開始
- ハードディスク空き容量【】GB以下
- 設定変更
- チェンネル設定の変更
- カメラ接続状況変化
- イベントログの空き容量が20%以下
- イベントログの上書き開始
カメライベント
- デジタルイベント
- モーション検知
レコーダーの障害以外にも、各種のイベント発生により通知を出すことが可能だ。しかし、あまりにも通知が多くなりすぎると、通知だらけになってしまう。
そこで、今回は『ディスクエラー』と『カメラ接続状況の変化(カメラ接続エラー)』発生時のみ、通知が行われるように設定する。
イベント発生要因の設定画面で『□ディスクエラー』と『□カメラ接続状態変化』にチェックを入れて、『次』を押下する。
メールで通知を行う場合、各メールサービスのプロバイダーのSMTPサーバーやパスワード情報を入力する。
※上記はてきとうに入力しているので、実際には各プロバイダーの契約内容をよく確認して欲しい。
FTPで通知を行う場合、FTPサーバーのアドレスやユーザー名、パスワード、アップロードパスを入力する。FTPの設定方法(前準備)については以下も参考にして欲しい。
イベントアクションに、今回は<□警告音><□メール テキストファイル><□FTPサーバーにテキストファイルをアップロード>にチェックを入れて適用ボタンを押下した。
これで、ディスクエラーやカメラとの接続エラーが発生した場合、レコーダーから警告音が鳴ることとなる。さらに、メールやFTPで障害内容を管理者に通知することが可能だ。
本設定ではカバーできない点として
なお、このようにレコーダーの通知設定を入れていた場合も、完全に障害を発見することは困難だ。そもそもレコーダーそのものの電源が切れいたり、重度のシステム障害が起きていた場合、レコーダーが通知を行うことができなくなる。
そのような場合、以下の監視装置と組み合わせて導入すると良いだろう。
PINGを利用して各機器の死活監視を行うことができる。PoE HUBなどと組み合わせて導入しておくと、PoE HUBがフリーズした状態が確認された場合に、自動的に再起動を行うことも可能だ。
まとめ
- ネットワークカメラの障害は気づきにくいことがある
- レコーダーからメールやFTPを利用して通知する方法がある
- 死活監視装置を組み合わせて導入すると、HUBの自動的な再起動などを行うことができる