録画の再生時にモーション検知は有効である
ネットワークカメラシステムで録画を行う場合、モーション検知録画は非常に有効である。常時録画をする場合も、常時録画とモーション検知録画を併用しておくと録画の再生時に非常に便利だ。
日本国内においてはモーション検知録画は少なく、24時間の常時録画が多いと言われている。常時録画だけで運用している場合、録画の再生が非常に大変だ。事件や事故が起きた場合、問題が起きた箇所を瞬時に探し出すことができないからだ。
仮に、5月30日に何らかの事件や事故があった場合、1日分の映像をすべて見返さなければならない。早送りで再生したとしても相当な時間がかかる。
一方で、モーション検知録画をしていた場合、モーション検知をした時間帯に何らかのイベント情報(目印)が残るため、瞬時に映像を探し出すことができるのだ。
例えば、上記では4月20日 22時8分にモーション検知のアラートが発生しているが、その時間帯だけ映像をチェックすればよいので、問題が発生した箇所を早く探し出すことができるのだ。
ユーザーの視点に立って分かったこと
筆者の自宅には、現在、ネットワークカメラが4台とレコーダーが3台ある。しかしながら、あくまでも動作検証用となっており、実際には録画をしていなかった。必要な時だけ電源を入れていたのだ。
しかしながら、たまたま家の敷地内で小学生からイタズラを受けている可能性があり、常時録画をすることとなった。ここで初めて、常時録画だけでは録画の再生が非常に大変だということがわかったのだ。
小学生は、だいたい午後にイタズラをする可能性が高いことだけはわかっていた。しかし、毎日録画している映像をすべて見返すのにはかなり時間がかかり現実的ではなかった。膨大な量の映像を見返すのは、非効率である。
ここで、常時録画とモーション検知録画を併用することにした。これにより、何か動きがあった箇所だけチェックし、見返せばよいので、録画の再生が非常に楽になったのだ。海外では、モーション検知録画が主流と聞いていたが、確かにモーション検知録画は録画の再生が非常に効率的であるのだ。
ほとんど動きがない撮影シーンで、時々、モーション検知のアラートが発生するようなケースでは、常時録画とモーション検知録画の併用が非常に有効である。
スマートサーチ機能を利用するとより利便性が向上する
スマートサーチ機能を利用すると、録画映像の再生はより効率的になる。スマートサーチ機能とは、映像のある部分を指定すると、その部分で動きがあった時間帯だけを探し出すことができる機能である。
スマートサーチ機能については、以下のURLにて詳しく説明しているため参考にして欲しい。
モーション検知録画の注意点
しかし、モーション検知録画はメリットだけではない。デメリットも存在するため説明しておく。
1.モーション検知の回数が多すぎる場合
一日に発生するモーション検知の回数があまりにも多すぎる場合、モーション検知録画は実施するべきではない。モーション検知録画は、録画の再生時に『何らかの目印』になるために設定しているのだが、あまりにもモーション検知の回数が多い場合、目印として成立しないからだ。
モーション検知の回数が多すぎる場合、(1分間に何回もモーション検知をするような場合)、ネットワークカメラシステムが不安定になってしまう可能性さえある。各レコーダーには、ほとんどの場合『イベントを保存する容量や件数』が決められている。あまりにもモーション検知の回数が多い場合、イベント情報が膨大になってしまいシステムがパンクしてしまうのだ。
ネットワークカメラでは、蛍光灯の揺らぎや車両のヘッドライドなどでもモーション検知としてアラートを発生するケースも多いため、録画の設定時は十分に注意が必要である。
2.モーション検知は取りこぼしが発生する
また、モーション検知録画を絶対的なものとして信頼してはいけない。モーション検知録画は、最悪の場合、未検出のリスクがあるということを忘れてはならない。
いざ録画映像を再生しようとしたときに、『最も大切な部分が適切に録画できていなかった』というケースもあり得るのだ。モーション検知の検出率はトレードオフの関係がある。つまり、録画の取りこぼしを少なくするために感度を高めると、誤検知の可能性が高くなる。とはいえ、感度を低くしてしまうと、最悪の場合、録画をし損ねるリスクもあるのである。
まとめ
- ネットワークカメラシステムはモーション検知を行っていると、録画映像を瞬時に探し出すことができるため非常に利便性が高い。
- ただし、デメリットも存在する。デメリットの1つ目が、モーション検知の回数が多すぎる環境ではシステムが不安定化するリスクがある。
- デメリットの2つ目が、モーション検知は100%検知するものではなく、録画の取りこぼしも発生するリスクがある。
- 録画容量に余裕がある場合は、常時録画とモーション検知録画を併用することが望ましい。