ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

CMS(統合管理ソフト)とは?

各地のレコーダーを本部で集中管理する

 

 CMS(統合管理ソフト)とは、各地に設置した複数のレコーダーを統合管理できるソフトウェアである。1拠点だけにレコーダーを設置し、同一建屋内でモニタリングする場合はあまり必要ではないが、複数のレコーダーを各地に設置する場合に非常に便利なソフトウェアである。

 

 例えば、16店舗を運営する小売店があったと仮定する。本来は、16店舗分の録画映像を本部のサーバーで集中録画できると理想であるが、このような構成にした場合、本部のネットワーク負荷が大きくなってしまう。一般企業では現実的に不可能だ。

 

 もちろん、理論上は、本部に相当大きなネットワークのバックボーンとサーバーを用意すれば可能ではあるが、コストがあまりにも大きくなってしまう。

 

 近年、ネットワークカメラは高画質・高フレーム化が進んでいることもあり、本部のサーバーで集中録画することは極めて困難だ。クラウドサービスという選択肢もあるが、1店舗に設置するカメラが多い場合、やはり帯域の問題で導入が難しいケースもある。

 筆者の感覚としても、1店舗あたりのカメラ台数が10台を超えてくると、やはり各店舗にレコーダーを設置することが望ましいと考えている。

 

 このように複数の店舗にレコーダーを設置した場合に、本部で集中管理できるソフトウェアがCMS(統合管理ソフト)である。VPN(拠点間通信)や固定IPアドレスを利用して、本部から各地のレコーダーに接続することが可能である。

 

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レコーダーを統合管理するCentral Basic

 

 今回の記事では、システムケイ社のNVR-200シリーズなどを統合管理することができるCentral Basic(セントラルベーシック)を例に、設定・操作イメージを説明したい。

 

(※なお、これより先、いくつか画像を貼り付けしているが、あくまでもイメージであることをご理解いただきたい。本来、実際に複数のレコーダーを保有していれば、より正確な画面をご覧いただくことができるのだが、筆者もレコーダーを1台しか保有していないため、画像編集ソフトで加工し、作成したものである。)

 

 統合管理ソフト(CMS)があれば、以下の画像のように、1つの画面上に複数のレコーダーのライブ映像を表示させることが可能だ。また、画面右のように、ツリー上に各地のレコーダーを配置しておき、必要なカメラの映像だけを選択することができる。

 

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 ※当然、表示させる分割画面数が多くなれば、本部へのネットワーク負荷は大きくなるものの、カメラから送信される録画データそのものは店舗内で完結しているため、理論上、本部の負荷は少なくすることができる。

 

レコーダーの登録のイメージ

 

 各地のレコーダーをソフトウェア上で登録するイメージは以下の通りの手順である。ソフトウェアを一度、サービスモードに切り替える。そして、各地のレコーダーのIPアドレスや管理者ユーザー名/パスワードを入力していく。

 

 これを繰り返し行うことで、各地のレコーダーを1台のPCで集中管理することができるようになる。

 

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統合管理ソフトウェアのメリット

 

 統合管理ソフト(CMS)のメリットは様々なものがあるが、筆者が考える最大のメリットは【稼働確認】である。

 

 例えば、システムケイ社のNVR-200シリーズの場合、ブラウザ(IE)で閲覧することができる仕様となっている。もし、レコーダーが1台だけであれば、管理用のPCから時々、各地のレコーダーに対してブラウザ接続し、映像を確認すればよい。

 

 しかしながら、レコーダーの数が多い場合、各地のレコーダーに対して1台ずつブラウザ接続し、ライブ映像を確認することは、なかなか手間がかかる。

 もし、CMS(統合管理ソフト)があれば、ライブ映像を一覧表示することができるので、カメラの映像に不具合が起きていないかどうかを効率的に確認することができる。管理者の負荷を軽減する効果が期待される。

 

フリーでダウンロードすることができる

 

 このCentral Basicであるが、実は、無償である。正確に言うと、レコーダーを購入すると、CD-ROMが付属しており、任意でインストールすることが可能だ。または、システムケイ社のホームページからダウンロードすることもできる。

 

 フリーでダウンロードができるソフトウェアとは思えないほど、機能が充実しているため、興味のあるユーザーはダウンロードしてみて欲しい。

 

 ※なお、重要な注意点としては以下のメーカーホームページにも記載がある通り、『録画映像の再生については動作保証していない』ため、覚えていて欲しい。録画映像再生については、各レコーダーをブラウザで接続して再生することを推奨する。

 

  また、以下のURLに記載がある通り、統合管理できる上限はレコーダーが16台までのようである。さらに、カメラは256台までとの記載があるので、これを超えるような大規模システムでは利用できない可能性があるため注意して欲しい。

 

nvr.bz