ネットワークカメラの映像が表示されない
ネットワークカメラは、しばしばアンチウィルスソフトウェアやUTMとの相性問題に悩まされる。例えば、筆者のネットワーク環境は以下のようになっているが、末端のノートPCからアクシス製のカメラのライブ映像を見ようとすると、適切に表示ができないことがある。
これは、PCからカメラの間にファイアウォール(UTM)があり、ウィルスの検閲があるためだ。
H264のライブ映像を見ようとすると、『問題が発生したました。閲覧数が多すぎる可能性があります。いずれかを閉じてもう一度試してください。』とエラーメッセージが表示される。
閲覧しているPCは1台だけであるので、閲覧数が多いわけではない。また、時間をおいたり、カメラを再起動しても解決することはできない。
UTMをネットワークから切り離した場合には、適切に閲覧できる。おそらく、UTMの何らかのセキュリティ機能がネットワークカメラの通信を遮断しているものと想定される。
解決方法(除外設定)として
解決方法としてもっとも簡単な方法は、アンチウィルスソフトをアンインストールしたり、UTMを取り外す(またはPCの設置位置を変更する)ことである。根本的には、セキュリティ機能の検閲しない設置形態に変更するしかない。
どうしても設置形態を変更できない場合は、セキュリティの除外設定を行う必要がある。仮に、筆者のUTMで除外設定を入れてみよう。
セキュリティルールの設定にて、下位のルーター(PC)からネットワークカメラに対しては、アクセスを許可し、防御ポリシーを適用しないようにした。
なお、セキュリティのポリシー(ルール)には優先順位がある。もし、除外設定のポリシーを作成していても、ブロックするポリシーの優先度が高く、除外設定の優先度が低い場合、通信がブロックされてしまう。セキュリティポリシー作成時は、ポリシーの優先順位も考慮しなければならない。
UTMの除外設定後はカメラの映像が適切に閲覧できるようになった。
アンチウィルスソフトの除外設定
今回はUTMの除外設定を行ったが、カメラの映像が適切に表示できない(または録画できない)などのトラブルがあった場合、PCにインストールしたアンチウィルスソフトの除外設定を入れなければならないケースも多い。
各ウィルス対策ソフトの除外設定のURLを掲載しておく。
※なお、アンチウィルスソフトについては、除外設定ですべてうまくいくわけではない。除外設定を入れていても、プロトコルベースで検閲し続けるソフトウェアもあるため、最終的にはアンチウィルスソフトのアンインストールが必要となることもある。
※ESETの場合、上記URL記載の『プロトコルフィルタリング機能』を無効化しておくことを推奨しておく。
まとめ
- ネットワークカメラシステムはしばしばセキュリティ対策製品との相性問題が発生する。
- 解決方法としては、セキュリティの除外設定が必要である。
- 除外設定でも解決しない場合、物理的に検閲の対象から外したり、アンチウィルスソフトのアンインストールが必要となることもある。