ネットワークカメラ推進会

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ネットワークカメラの市場動向

10年で大きく変化したネットワークカメラ市場

 

 ネットワークカメラ市場は、この10年で劇的に変化した。本記事では、この10年でネットワークカメラ市場でどのような変化があったのか振り返っていこう。

 

アナログカメラとネットワークカメラのシェアが逆転した

 

 ネットワークカメラ市場は、年々、シェアを広げていたが、ついにアナログカメラとネットワークカメラの市場が逆転したのが、2010年代半ばだ。従来、監視カメラといえば、アナログカメラが主流であり、ネットワークカメラは非常にニッチな市場であった。

 

 しかしながら、ネットワークカメラが高画質化し、また、拡張性が高いことからネットワークカメラのシェアが年々拡大し、ついに逆転することとなった。

 

 一方で、アナログカメラも、アナログハイビジョンカメラなど高画質化しており、まだまだ一定のシェアを維持している状態となっている。

 

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ネットワークカメラが高画質化した

 

 この10年を振り返ってみて、大きく変わったことが、ネットワークカメラの画質が急激に向上したことである。従来は、VGAサイズ以下が主流となっていたが、今日ではハイビジョン品質またはフルハイビジョン品質が一般的となっている。

 

 また、モデルによっては4Kに対応したカメラもリリースされている。まだまだ、ビットレートや録画容量の問題により、4Kは主流とはいえないものの、従来よりも高画質化してきている。

 

 さらに、フレームレートも高くなっている。従来のモーションJPEGを主流とした録画形式では、毎秒1枚~2枚程度の録画が基本であった。しかしながら、H264またはH265による圧縮技術の向上により、毎秒5フレームや10フレーム、さらにはそれ以上で録画されるケースも多くなっている。

 

防犯対策だけではなく、利用シーンが拡大した

 

 ネットワークカメラが防犯対策だけではなく、業務効率の向上など利用シーンが拡大したことも、この10年間の特徴と言える。従来は、監視カメラと言えば、防犯対策が主流であった。今日でも、防犯対策を目的にネットワークカメラを導入するユーザーは非常に多いものの、それ以外の用途が広がっている。

 

 例えば、顔認証システムや年齢・性別の推定などマーケティング用途でも用いられるようになっている。単に、『映像がキレイ』ということだけでは評価されることが少なくなり、アプリケーションを組み合わせて『どのように映像を活用するのか?』ということが重要となっている。

 ハードウェアの戦いから、ソフトウェアの戦いに移行しつつある。

 

企業のM&Aおよび統廃合が進みつつある

 

 ネットワークカメラ市場には多くのプレーヤーが参入し、また徐々に淘汰されつつあるのも、現状の傾向として見られる。ネットワークカメラは年々、市場が拡大しており、多くのベンダーが新規参入(または注力)することとなった。

 様々なメーカーやベンダーが市場に参加することで、市場が大いに活発化した。

 

 2014年にキヤノン社は、VMS大手のMilestone社をM&Aした。さらに、翌年の2015年には、当時、世界シェア1位のアクシスコミュニケーションズ社をM&Aした。業界内でも大きな衝撃であった。

 

 一方で、国内最大手のパナソニックも大きな舵取りを行っている。2018年には、業務用監視カメラの製造部門を売却することを発表し、顔認証などソフトウェアの開発に注力することを発表した。さらに翌年、2019年には、ポラリス社と資本提携し、新会社を設立することを発表した。

 

中国企業がシェアを拡大した

 

 この10年間を振り返った際に、注目すべきであるのが、ハイクビジョンやダーファーなど、中国系企業が市場シェアを拡大させたことである。中国国内のネットワークカメラ市場が大きく成長し、これに合わせて世界シェアも向上した。

 

 低価格な製品を武器に多くの製品を市場に浸透させつつある。日本国内においても、中国製のOEM製品が多く流入するようになった。

 

 一方で、米国を中心として、ハイクビジョン製のネットワークカメラについてはサイバーセキュリティ上の問題を指摘されることも多く、しばしば議論されることとなっている。

 

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今後の市場展開として

 

 このように、ネットワークカメラ市場はこの10年で大きく変化したのである。そして、これからの10年においても、市場が大きく変動することが想定される。

 

 具体的には、映像を活用したソリューションが拡大することが予想される。AIとネットワークカメラが結びつくことで、これまでヒトが行ってきた業務の一部をAIとネットワークカメラが代わりに行う世界が訪れることとなるだろう。

 

 また、IoTがより進む可能性が考えられる。ネットワークカメラだけではなく、ありとあらゆるモノがインターネットに接続されるようになるのだ。これまでバラバラに管理されていたシステムが統合され、1つのプラットフォームの上で、様々なデバイスをコントロールするような仕組みが広がっていくだろう。